【5分でわかる】住宅を店舗にリフォームする流れ|注意点(用途地域)とメリット・デメリットを解説します

住宅を店舗にリフォームする流れ

店舗を開店する際には、場所や設備など多くのものを準備しなければならず、自分で行うにはかなりハードルが高いものになっています。そこで、自宅のスペースに余裕があればそこを店舗にリフォームするという方法もあります。

今回は自宅を店舗にリフォームする場合のメリットや注意点について説明していきます。

デザインコンセプト作成の流れは以下のページで詳しく解説しています。実際にお客様に提案しているマインドマップや図表、イメージパースを元に、考え方の整理方法からコンセプトを具現化するまでを解説していますので、ぜひこちらもご参照ください。

デザインコンセプト作成の流れ

自宅を店舗にリフォームするメリット

自宅を店舗にリフォームするメリット

コストを抑えられる

自宅を利用することで、店舗経営で一番費用が掛かる家賃を抑えることができます。家賃は、売り上げの大小に関わらず毎月固定で発生し、開店して数か月は思うように売り上げが伸びず、赤字になってしまうことも少なくありません。

自宅を店舗として利用することで、月々の家賃の心配がないので、余裕をもって店舗経営を実施することができます。店舗を借りる必要がなければ、保証金などの初期費用も抑えることができます。

万が一、うまくいかなくても他の人に貸し出したり、リフォームしなおすだけで済みますので、通常の場合よりも閉店の際の出費も少なくて済みます。

自分のペースで仕事できる

店舗を借りるとしても、すぐに希望の物件が見つかるとは限りません。店舗以外の準備が整っていても、なかなか良い物件が見つからずに開業時期が遅れてしまうことも多いです。

逆に、準備が整っていない段階で、良い物件が見つかる可能性もありますが、急いで契約したために、準備が不十分なままで開業してしまい、後から問題になるということも考えられます。

自宅を店舗にする場合は物件探しが不要なため、開店までの準備に十分な時間をかけることができたり、怪我や病気のときには休業しやすいのも自宅を店舗にするメリットのひとつです。

店舗を借りている場合には休業中も家賃が発生するため、そう簡単に休業することはできません。

周辺の調査が不要

店舗を開業する時には、出店する地域の調査を実施する必要があります。調査では、近隣住民の年齢層や人通りの多い時間帯や曜日などを調べ、開業する店舗のコンセプトや業態、営業時間などを決定することになります。

自宅を店舗に改装する場合、周辺の環境をある程度把握していると思いますので、改めて調査する必要はないこともあります。周辺の年齢層や人通りが多い時間帯や曜日の違いなどを把握していれば、知らない土地で開業するよりも有利に進められます。

自宅を店舗にリフォームする際の注意点

自宅を店舗にリフォームする際の注意点

用途地域に適応している業種か

用途地域とは、都市計画法の地域地区(都市計画で定める地域および地区)の一つで、当該エリアに建てることができる建物の種類や用途を定めたもので、13種類のエリアに分かれており、そのうち住宅地は以下の8種類のエリアとなっています。

第1種低層住居専用地域 低層住宅にかかる住環境を保護するための専用地域のこと
第2種低層住居専用地域 低層住宅にかかる住環境を保護するための専用地域のこと

(小規模店舗の立地は可能)

第1種中高層住居専用地域 中高層住宅にかかる住環境を保護するための専用地域のこと
第2種中高層住居専用地域 中高層住宅にかかる住環境を保護するための専用地域のこと

(利便施設の立地は可能)

第1種住居地域 大規模な店舗や事務所の立地を制限し、住環境を保護するための専用地域のこと
第2種住居地域 店舗や事務所などの併存を図りつつ、住環境を保護するための地域のこと
準住居地域 道路沿道型施設などと調和した住環境を保護するための地域のこと
田園住居地域 農業の利便性の増進を図りつつ、低層住宅にかかる住環境を保護するための地域のこと

以上から、住宅地の場合には自宅がある地域がどのエリア区分になるのかによって、開業できるかどうか異なりますので、自宅の地域が店舗を開業することができるかどうか確認するようにしてください。

近隣環境への影響がないか

近隣環境への影響がないか

これまで普通の住宅だったところが店舗兼住宅となることで、周囲環境も変わります。飲食店の場合には、生ゴミなどのごみが毎日出ることになりますので害虫が集まってきたり、臭いが気になったりする可能性があります。

また、人が集まることで騒音などの問題が起きる可能性もあります。夜間ににぎわうような業態の店だと、近隣から苦情がくるかもしれません。さらに、車での来店を想定しているのであれば、駐車場の確保も必要になります。

店舗の利用客が路上駐車をすると、近所の方の車が通れなくなってしまうこともあり、これも近隣から苦情がくる原因となります。

このように、周辺環境への影響が考えられますので、しっかりとした対策を実施しなければなりません。

住宅ローンは使えないかもしれない

自宅のリフォーム費用を工面する方法として住宅ローンの利用を検討することもあるかと思います。

しかし、住宅ローンは基本的に住居として使用する建物の建築やリフォームの費用を対象にしていますので、店舗へのリフォームを実施する場合には、住宅ローンを利用できない金融機関が多いです。

ただし、店舗部分と住居部分の割合によっては店舗兼用住宅へのリフォームとして住宅ローンを利用できる場合もありますので、一度金融機関で相談してみると良いでしょう。

住宅ローンが利用できない場合には事業ローンなど別のローンを利用する方法もあります。

おわりに

自宅を店舗としてリフォームする場合のメリット

今回は、自宅を店舗としてリフォームする場合のメリットと注意点を紹介してきました。住宅をリフォームする場合には、都市計画法による制限があるほか、周辺への影響を十分に考慮したうえで計画・実行していく必要があります。

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