和風の風情を感じる店舗デザインの作り方|和食レストランの魅力を引き出すコツ
和食レストランの内装で、和風のデザインを取り入れたいと考える方は多いのではないでしょうか。和風とひと口にいっても、純和風や和モダンなどさまざまなデザインがあります。それぞれに違った特徴があり、お客様に与える印象もガラリと変わります。
おすすめの和風デザインや、和食レストランの魅力を引き出すポイントなどを解説するので、ぜひ内装を考える参考にしてみてください。
和風デザインのポイントは和モダン
和風デザインを成功させるポイントは和モダンにあります。和モダンという言葉自体はよく耳にすると思いますが、「なにが和モダンなのかわからない」と疑問に思う方も少なくありません。和モダンがどういったものなのか、純和風との違いは何かを解説します。
和モダンとは
日本の心「和」と現代的要素の「モダン」を掛け合わせた和モダンは、和の奥ゆかしさを感じさせつつおしゃれで現代的な印象に仕上がるデザインスタイルです。日本の伝統工芸や様式などを取り入れつつ現代的なデザインに落とし込むことで、和でありながら新しさも感じられる空間を作ります。
和とモダンの割合をどれくらいに設定するか、どのような和の要素を取り入れるかなどで、他の店舗との違いを生み出すことができます。落ち着いた印象を与えやすく高級感も出しやすいので、和食レストランにもぴったりのスタイルといえるでしょう。
純和風と和モダンの違い
和の要素のみを取り入れたデザインを純和風といいます。囲炉裏や土間などをはじめ、和室などを格式的に盛り込んでデザインすると純和風になるでしょう。老舗の旅館などを想像するとわかりやすいかもしれません。
和モダンは、現代的な要素や洋風の要素を取り入れるため、完全な和にはなりません。しかし、和の温もりはそのままに近代のおしゃれな要素が加わるので、若いお客様にも受け入れられやすい空間が作れます。より万人に受け入れられやすく、誰でも落ち着いて食事が楽しめる空間を目指すなら、和モダンがおすすめです。
和食レストランの魅力を引き出すデザインのポイント
和食レストランの魅力を引き出すためのポイントを紹介していきます。提供する料理をより美味しく楽しんでもらえるように、料理にマッチする内装を考案していきましょう。
日本の伝統工芸を取り入れる
和の雰囲気を出すには、ポイントとして日本の伝統工芸を使用することがおすすめです。伝統工芸と聞くと堅苦しい印象を抱くかもしれませんが、障子や組子細工など身近な工芸品もたくさんあります。
このような伝統工芸品をふんだんに使うのではなく、一番見せたいところにデザインの目玉として使用すると、和の風情とモダンが調和しやすくなります。部分的に使用することで、コストを抑えながらインパクトを効果的に与えられるでしょう。
和を意識した素材を使う
和風の内装は素材にもこだわりましょう。和を感じる素材には、木材や和紙、い草でできた畳などが挙げられます。特に木材は、木の種類にも注目したい素材です。より和風を目指すのであれば杉やヒノキなど、日本建築と関わりの深い素材を選ぶとより和の雰囲気が強くなります。
これらの素材は、素材特有の香りが楽しめることもポイントです。食事がメインとなる空間ですが、和を感じる素材は食事を邪魔しない程度にほのかに香ります。視覚だけでなく嗅覚からも和を感じられて、印象深い時間がすごせることでしょう。
和室ではなく和風を目指す
和風と聞くと、襖で仕切られた部屋に畳が敷いてあり、窓には障子が並んでいる座敷を想像するかもしれません。コンセプトによってはそのような和室がマッチすることもありますが、基本的には和室ではなくあくまで和風に仕上げることをおすすめします。
和室は堅苦しい印象を抱く人も多く、中には落ち着かないと感じる人もいます。洋風の要素も取り入れた「和風」の空間にすることで、幅広い世代に支持されやすい空間を作りましょう。
和食レストランの内装デザインを成功させるコツ
最後に、和食レストランのデザインを成功させるコツを解説します。和風のデザインを引き立てて、店舗全体の雰囲気をよくするにはコツを知っておくと便利です。
配色で落ち着きと和を表現する
内装を考える時、細かな装飾も重要ですが全体の配色に気をつけることで大きく印象が変化します。メインのカラーとポイントとなるカラー、コンセプトカラーなどを決めて配色していきましょう。この時、白やベージュなどの明るめのカラーだけでまとめてしまうと、清潔感はありますが簡素で高級感に欠く印象になりがちです。
暗色のカラーだけだとシックではありますが和を感じにくくなるので、明色と暗色のバランスに気をつけながら配色します。赤やオレンジ、緑、ブラウンなどのカラーは、和風の雰囲気にマッチしやすくアクセントにもなるので、ポイントとして使用するといいでしょう。
什器や食器も内装デザインのひとつと考える
店舗を、躯体・照明・什器・食器などひとつひとつの要素として捉えるのではなく、すべてを含めて空間として捉えるとデザインが成功しやすいです。特に、食器は店舗をデザインしたあとに個別で仕入れることが多いと思いますが、その際にも内装に合うかを考えながら選んでみましょう。食器は提供する料理に合うかが大前提ですが、それが内装にも合っているとさらに料理を引き立てることができます。
什器は内装をデザインする際に並行して決めることがほとんどですが、市販のものを選ぶ場合にも壁などに使用した素材と合わせるなど、細かなところまでこだわると一体感が生まれます。このように、什器や食器は色や素材にも気を遣いながら、空間とのマッチングも考慮して選んでみてください。
和の心が反映できる四季を取り入れる
日本の風情が強く感じられる要素として、四季があります。この四季を効果的に盛り込むことで、より和の心を尊重したデザインが生み出せます。
四季は移り変わりを楽しむものなので固定のデザインとして入れ込まず、生花を活ける場所を作るなどの対応がおすすめです。提供する料理が和食の場合は特に、料理にも四季の移り変わりが反映されている場合が多く、生花などとも調和しやすい傾向にあります。来店者の視点でみた時にも「以前から変化している」とうつろいを感じることが、来店の楽しみにもつながるでしょう。
照明で空間をデザインする
上質な和の空間を演出するためには、照明をうまく活用することも大切です。照明はただ灯すのではなく、見せたいものを効果的に灯すことに重点を置いて設置の計画を立てましょう。
間接照明などで照らされた部分は浮かび上がって見えやすいので、ほどよく強調されます。全体を明るく照らすだけでなく、ポイントを強調するような照明を心がけることで、よりドラマチックなイメージを持たせられます。間接照明だけにしてしまうと、肝心の料理が見えにくくなってしまうため、明るすぎないほどよい塩梅を狙って計画していきましょう。
まとめ
和風の風情を感じる和食レストランのデザインには、現代的な要素を取り入れた和モダンのデザインがおすすめです。純和風のような堅苦しさがなく、多くの人に愛される空間に仕上げられます。
私たちサイファーは、おしゃれで通いたくなる和食レストランのデザインを考案します。行きつけのお店に選ばれるような、くつろげる雰囲気を一緒に作り上げましょう。相談だけでも構いませんので、ぜひ一度ご相談ください。