店舗の内装工事の勘定科目を徹底解説!リニューアル費用の適切な処理方法とは?

店舗の内装工事を検討したときに、どのように勘定科目を仕訳するか悩んでいる人も多いと思います。内装工事は何度も行う機会がないため、間違いがないか不安になることもあるのではないでしょうか。

「会計処理はややこしくてわからない」というお悩みに、設計施工会社がお答えします。店舗の内装工事にかかる費用の勘定科目やリニューアル費用として適切な処理方法などを解説します。会計処理の参考として役立ててみてください。

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内装工事費用を計上する前に減価償却について知ろう

内装工事を経費に計上するためには、減価償却について知っておかなければなりません。内装工事の会計処理の流れなども踏まえて解説します。

内装工事費用を経費として計上するには

まずは、内装工事にかかった費用を処理する流れを説明します。

  1. 勘定科目を仕訳する
  2. 耐用年数を算出する
  3. 減価償却を計算する

以上の流れに沿って計上します。内装工事費用は、基本的に全額をいっぺんに経費として処理することができません。内装工事を実施することで建物の価値が上がるとみなされ、経費ではなく固定資産となります。内装工事で得られた資産価値は年々減ると考え、耐用年数に相当する減価償却費として、毎年分割して計上していくのが一般的です。

減価償却とは

経年により価値が下がる資産に対する会計処理のことを減価償却といいます。内装工事を固定資産と考えた場合、その価値は経年とともに下がっていくと考えていいでしょう。そのため、内装工事にかかった費用を耐用年数から定められた期間で分割して経費として処理します。

例えば、3000万円の建物の場合、一括で3000万円を経費として処理することはできません。建物の耐用年数が30年と割り出された場合、年100万円を30年で計上して処理します。これは、一度に高額な支出を経費計上することで、赤字になってしまうことを防ぐためです。減価償却をすることで、大幅な支出にとらわれない利益の算出が可能になります。

また、減価償却は長期にわたる節税対策としても効果があります。上記の例でいえば、毎年100万円の支出がすでに確定しているので、年間の収入から100万円は支出として確実に引けます。所得税の節税になるので、しっかりと計算して損のないように計上しましょう。

ポイントは耐用年数

耐用年数とは、その価値を使い続けられる年数のことを指します。内装工事の内容が、何年価値を持ち続けるかで減価償却する期間が決定します。

財務省が定めた法定耐用年数があり、それを基準に建物の構造や店舗の使用用途、設備、備品などから年数を割り出します。内装工事の場合、実施した工事や備品の耐用年数から計上期間が決まります。

電気やガス、空調などの設備工事の耐用年数は15年ほどであることがほとんどです。塗装などの建物に関わる工事は、建物の構造などが関係して変化します。それぞれ細かく定められているので、実施した工事の耐用年数がどれに当てはまるかを確認してから計上しましょう。

店舗の内装工事にかかる費用の勘定科目

内装工事にかかる費用の勘定科目として挙げられる科目は以下の4つです。

  • 建物
  • 建物附属設備
  • 備品
  • 諸経費

これらのうち、建物・建物附属設備・備品の一部は資産として減価償却に計上します。それぞれがどのような仕訳になるのかを解説します。

建物

建物として計上できる工事の例を挙げてみます。

  • ガラス工事
  • 左官工事
  • 塗装工事
  • 木工工事
  • 防水工事 など

以上のような、建物や躯体に関係する工事を「建物」として計上できます。建物に固定されており、なおかつ動かないものの工事にかかる費用と考えるといいでしょう。

ただし、上記の工事以外にも、デザイン料や設計料を建物として計上する場合があります。これらは諸経費にも分類できますが、高額な場合は諸経費として認められません。そういったときは、建物として処理するといいでしょう。

建物附属設備

建物で使用する設備の工事にかかった費用は「建物附属設備」として計上しましょう。文字通り建物に附属する設備のことですが、よく計上される設備をまとめてみます。

  • 電気設備
  • 水道設備
  • ガス設備
  • 通信設備
  • 空調設備
  • 自動開閉設備 など

電気設備は、配線工事や照明設備などが該当します。続いて、水道やガスなどのライフライン系の設備も建物附属設備として計上可能です。Wi-Fiなどの設備を整える場合は、通信設備として計上できます。冷暖房などの空調もこちらで処理しましょう。

店舗内装の設備として利用される自動ドアも自動開閉設備として、建物附属設備に計上できます。そのほかにも、建物に固定されていて自動で動く設備はすべて建物附属設備として考えていいでしょう。

備品

建物附属設備と混同されがちですが、主に建物の床や壁に設置できるもので、自動で動かないものや動力を要するものなどを備品と考えるとわかりやすいでしょう。

  • 机や椅子
  • カウンターなどの什器
  • コピー機や複合機
  • 金庫
  • 電話
  • パソコン など

10万円以上で1年以上使うものは備品として計上できます。ただし、10〜20万円未満の備品は、耐用年数などにかかわらず3年間で償却できる一括償却資産として勘定するのが一般的です。そのため、10〜20万円未満のものは一括償却資産、20万円以上からが備品として減価償却にて計上すると覚えておくといいでしょう。

また、10万円以下のもので使用期間が1年未満のものは、消耗品費として通常の経費処理ができます。コピー機本体は備品になりますが、コピー用紙やインクなどは少額な上1年以内に消耗できるため、消耗品として考えましょう。消耗品費は、固定資産にはならないので処理のときに注意しましょう。

諸経費

内装工事にかかった上記以外で発生する支出は諸経費として計上します。

  • 各種手続き費用
  • 人件費
  • デザイン費・設計費 など

ただし、デザイン費や設計費などが高額な場合は、諸経費として認められない場合があります。その場合は、工事の内容に応じて建物・建物附属設備・備品のどれかの科目で資産計上し、減価償却の対象にしましょう。

リニューアル費用として適切な処理方法は?

今回紹介した4つの項目はどれも内装工事に適用できる勘定科目です。デザイン面を見直すリニューアルの場合は建物、設備面を見直す改装の場合は、建物附属設備として計上することが多いでしょう。

また、リニューアルは工事の内容によっては「修繕費」として計上することも可能です。修繕とは、設備や建物の状態を初期の状態に戻すことを目的としているため、資本価値を上げる工事とはみなされません。デザインを大きく変えるのではなく修繕が目的の場合は、修繕費として計上しましょう。

仕訳の方法がわからない場合は、地域の税務署や税理士に相談するのもひとつの方法です。経費の計算は、専門的な知識が必要な場合もあり、一人でやっていると混乱してしまうこともあります。わからないところはすぐに専門家に相談することで、正確な処理が行えます。

まとめ

内装工事にかかる経費の勘定科目を解説しました。経費の処理は難しいことが多く、はじめてやる人は悩んでしまうことも多いと思います。ぜひ、この記事を参考に内装工事にかかった費用を仕訳してみてください。

私たちサイファーは、店舗の内装工事やリニューアル工事をお請けしております。理想のデザインになるようしっかりと要望を伺いますので、まず一度ご相談ください。