店舗デザイン費用の平均費用は?デザイン歴10年の経験と実例をもとに内訳と料金相場を解説します
「店舗開業を予定しているけれど、店舗デザインの費用はいくら必要だろう」こんなお悩みはありませんか?
店舗デザインに必要な費用は決して安いものではないため、見積もり前に相場を知っておきたいですよね。店舗デザイン費用は、業種や設計施工内容、施工場所など、工事に関する費用だけでなく人件費などによっても変わります。
店舗デザインの平均費用と実例をもとにした費用相場について、分かりやすく解説します。店舗開業の予定がある方や、店舗デザインの費用に関するお悩みのある方はぜひ、最後までご覧ください。
デザインコンセプト作成の流れは以下のページで詳しく解説しています。実際にお客様に提案しているマインドマップや図表、イメージパースを元に、考え方の整理方法からコンセプトを具現化するまでを解説していますので、ぜひこちらもご参照ください。
店舗デザインにかかる費用の内訳
店舗デザインの費用は、大きく2種類に分けられます。デザインや設計に関するデザイン費と、工事に関する施工費です。ここでは、デザイン費や施工費がどんなものなのか、費用がどのように算出されるのかを分かりやすくご紹介します。
デザイン費
デザイン費とは、店舗の間取りや構造など、店舗の詳細を設計図に書き起こすためにかかる費用のことです。設計図の作製では、依頼主の要望や希望、コンセプトを聞いたのちにイメージを具現化していきます。
最終的には、インテリアや家具、通路の位置など店舗全体の作りや雰囲気を決定します。デザイン費は、総施工費の割合から費用を算出する方法と、坪数から算出する方法があります。
算出方法 | 例 |
総施工費の10〜20% | 総施工費 5,000,000円の場合
デザイン費:500,000〜750,000円 |
坪数×坪単価 (1坪あたりの相場 3〜15万円) |
坪数 20坪の場合
デザイン費:600,000〜2,000,000円 |
デザインから工事までを一貫して行う設計施工会社は、総施工費の割合で算出する方法が多く、デザインのみを行う設計会社は、坪数で算出する方法が多くなっています。
見積もりを依頼する際は、どちらの算出方法で金額を提示されているのか、どちらの方が費用を抑えられるかなど考えてみると良いかもしれません。
また、デザイン会社や施工会社、設計施工会社などに相談してみるのもおすすめです。店舗デザインを成功させるためにも依頼先とのコミュニケーションは欠かせません。費用やデザインに関する悩みや相談などに、丁寧に対応してくれる企業を探しましょう。
施工費
施工費とは、建築士や設計士が作製した図面やデザイン画をもとに、工事をする際にかかる費用です。この施工費には、物件の解体から電気やガス、水道の工事、壁や床の張り替え、インテリア家具や電気器具の設置などが含まれています。
居抜き物件やスケルトン物件など物件の状態だけでなく、店舗に使用する素材やデザイン、構造の複雑さによっても施工費は大幅に変わってしまいます。
そうすると、素材1つでどの程度費用が変わるのかを知りたい方もいるのではないでしょうか。ここでは、床材の種類を例に用いて費用の違いをご紹介します。
床材の種類 | 1㎡あたりの料金 |
デザインコンクリ | 20,000〜40,000円 |
タイル | 8,000〜30,000円 |
フローリング | 6,000〜20,000円 |
カーペット | 4,000〜10,000円 |
施工費は、デザイン費と異なり費用の幅が広いためコスパを重視する部分とデザインを重視する部分を、しっかりと分けておくことが大切です。
業種別店舗デザインの費用相場
店舗デザインには、デザイン費と施工費がかかることが分かりました。では、実際にどのような工事にどのくらいの費用がかかるかなど、店舗デザインの費用相場と内訳を分かりやすくご紹介していきます。
ラーメン店、居酒屋、定食屋のスケルトン物件のリフォーム
スケルトン物件 | 20〜50坪 | 費用相場:1,600〜2,500万円 |
電気、水道、ガスの工事と設置 | 500万〜800万円 | |
壁、床の張り替え、塗装 | 600万〜750万円 | |
インテリア、家具 | 350万〜500万万円 | |
デザイン費 | 100万〜300万円 |
飲食店は、他の業種と比べて費用が高くなる傾向があります。理由として、水道や厨房設備など、他の業種にはない設備を整えたり、設備用の工事が必要になったりするからです。
ここでは、スケルトン物件の場合の費用相場をご紹介していますが、居抜き物件にすることで費用を抑えることも可能です。
コンビニ(フランチャイズ)、雑貨屋の居抜き物件のリフォーム
居抜き物件 | 10〜20坪 | 費用相場:250万〜550万万円 |
壁、床の張り替え、塗装 | 100万〜200万万円 | |
インテリア、家具 | 100万〜250万円 | |
デザイン費 | 20万〜70万円 |
小売店は、比較的安い費用で店舗デザインを完成させられます。水道やガス工事など、プラスαで工事をしたり、設備を整えたりする必要が無いからです。
また、居抜き物件で既存の設備や家具を再利用することで、さらなる節約にも繋がります。
美容室・理容室の居抜き物件のリフォーム
居抜き物件 | 20〜30坪 | 費用相場:450万〜1,100万円 |
電気、水道、ガスの工事と設置 | 200万〜350万円 | |
壁、床の張り替え、塗装 | 100万〜300万円 | |
インテリア、家具 | 100万〜300万円 | |
デザイン費 | 40万〜150万円 |
美容室や理容室は、顧客へサービスを提供するために水回りの設備や施術に必要な設備などを十分に整えておく必要があります。
そのため、工事や設備の購入が必要となり店舗デザインの費用が大きくなりやすい傾向があります。
店舗デザインの費用事例
店舗デザインの費用相場がわかったと思います。では、実際の店舗デザインの費用はどれくらいなのでしょうか。事例をもとに、飲食店・小売店・美容院の店舗デザインにかかった費用をご紹介します。
居抜き物件の飲食店(ラーメン店)
飲食店(ラーメン店) | 居抜き物件 | 10坪 |
施工費 | 水道・電気・ガス工事:200万円
壁紙・床材の張り替え:100万円 |
|
デザイン費 | 40万円 | |
合計 | 340万円 |
スケルトン物件の小売店(雑貨屋)
小売店(雑貨屋) | スケルトン物件 | 30坪 |
施工費 | 水道・電気・ガス工事:150万円
壁紙・床材:100万円 インテリア・家具:100万円 電気器具:125万円 |
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デザイン費 | 110万円 | |
合計 | 525万円 |
居抜き物件の美容院
美容院 | 居抜き物件 | 10坪 |
施工費 | 水道・電気・ガス工事:300万円
壁紙・床材の張り替え:100万円 インテリア・家具:50万円 電気器具:100万円 |
|
デザイン費 | 55万円 | |
合計 | 605万円 |
店舗デザインのデザイン費は、算出する際の数値が決められていますが、各種工事の内容や装飾内容、使用素材によって費用が変動します。
店舗デザインを考える際には、こだわる部分と節約する部分を明確に決めておくことが大切です。そうすることで、店舗開業をするための初期費用を抑えることも可能となります。
店舗デザインの費用を抑える方法
店舗デザインにかかる費用相場や事例をもとにした費用についてご紹介しました。中には、費用が高いと思われた方もいると思います。ここでは、店舗デザインの費用を抑える方法を3つご紹介します。
居抜き物件を利用
店舗に使用される物件の種類は、主に3つです。
・新築
・スケルトン物件
・居抜き物件
この3つの中でも、居抜き物件は内装やインテリア、家具、設備などが残っているものも多く、工事内容や新しく購入する備品を最小限に減らすことが可能です。その結果、店舗デザインにかかる費用を大幅に節約できます。
新築やスケルトン物件は、内装を1から作り上げ、インテリアや備品を全て買い揃えなければなりません。そのため、居抜き物件より工事費を多く請求されたり、備品への費用が必要となったりします。
店舗開業にあたって、初期費用を抑えることを重視したい方は居抜き物件を選ぶのがおすすめです。
特徴 | |
新築 | ・建物の骨組みから作る物件 |
スケルトン物件 | ・骨組み状態の物件 |
居抜き物件 | ・内装や備品が残った物件 (物件によっては備品が無い場合もある) |
使用素材の再検討
店舗デザインは、内装や装飾など、質の良いものや有名ブランドのアイテムを使用すると、その分費用がプラスとなります。費用を最小限にしたい場合は、質を重視した素材では無く、コスパを重視した素材を選択しましょう。
店舗のコンセプトやイメージの都合上、質を重視したい場合は、スタッフルームやバックヤードで使用する素材をコスパ重視にしたり、中古品を使用したりといった方法もあります。
店舗デザインも費用も妥協したく無いのであれば、こだわる箇所と節約する箇所を明確に分け、デザイナーや設計士に希望を伝えておくことが大切です。
助成金や補助金の利用
日本では、店舗開業をする方に向けて、国や自治体からの助成金や補助金が受けられる。制度によって、助成金や補助金の額、条件などは異なりますが、賃料や改装が対象のものもあります。
どの制度も審査に合格したり、申請条件を満たしたりする必要がありますが、返済義務のないものも多いため、大幅な費用の節約が可能です。
ただし、申請期間や申請条件、助成金・補助金の内容は頻繁に変わるため、都度自身で確認する必要があります。助成金や補助金の利用を希望する場合は、早めに情報を確認することを心がけましょう。
まとめ
今回は、店舗デザイン費用の平均費用と費用の事例、費用を抑える方法について解説しました。店舗デザインは、店舗開業の初期費用の中でも、決して安くない金額が必要です。
「開業後に運営資金が足りない」といった問題が発生しないよう、ご紹介した費用相場や事例を参考に、店舗デザインの資金を集めておきましょう。
また、物件の選び方や店舗開業を手助けしてくれる制度をうまく利用することで、費用を節約することも可能です。今回ご紹介した内容をぜひ、参考にしてみてください。
しかし、自分の店舗ではどれくらいの費用が必要なのか、対象となる制度はあるのか分からないなどと疑問や不安のある方も多いのではないでしょうか。
CYPHERでは、店舗のデザインや施工だけで無く、補助金や助成金の取得サポート、資金計画策定、各種登記手続きの補助なども行っています。
知識豊富なスタッフが複数在籍しており、専門家だからできる適切なアドバイスもさせていただきます。名古屋で店舗開業を予定されている方や、店舗デザインでお悩みの方は、ぜひCYPHERへご相談ください。
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