【ユニバーサルデザイン】店舗のバリアフリー化のポイントと注意点|具体例をもとに解説します

店舗のバリアフリー化のポイント

多様化が周知され始めている現代では、店舗のバリアフリー化にも注目されています。しかし、実際にバリアフリー化するには、どのようなことに注意しなければならないのか分からないという方が多いのではないでしょうか。

バリアフリー化のポイントと注意点について、具体例をもとに分かりやすく解説をします。これから店舗開業される方や、店舗改装を検討している方はぜひ最後まで読んでみてください。

デザインコンセプト作成の流れは以下のページで詳しく解説しています。実際にお客様に提案しているマインドマップや図表、イメージパースを元に、考え方の整理方法からコンセプトを具現化するまでを解説していますので、ぜひこちらもご参照ください。

デザインコンセプト作成の流れ

バリアフリーとは

バリアフリーとは

バリアフリーとは、障害者や高齢者などが生活の中で感じる障壁(バリア)を取り除いたデザインのことです。

スロープ 車椅子や高齢者でも安全に通行できる
手すり 階段やスロープでの移動補助となり、転倒防止になる
自動ドア 車椅子やベビーカー、両手に荷物を持っている人も簡単に通行できる

バリアフリーに似た言葉として、ユニバーサルデザインというものもあります。しかし、これらは意味が異なるため違いについても理解しておくと良いでしょう。

バリアフリー ユニバーサルデザイン
障害者や高齢者などに配慮されたデザイン 年齢や障害の有無関係なく

誰もが使いやすいデザイン

店舗に存在する4つのバリア

店舗に存在する4つのバリア

店舗デザインに存在するバリアは、主に4種類に分けられます。ここでは、どのようなバリアがあるのか種類ごとにご紹介します。

物理的バリア

1つ目は、物理的なバリアです。これは、バリアの中でも最もイメージしやすいものなのではないでしょうか。

段差や障害物によって、車椅子の方や高齢者が動きづらい状態や、ボタンの位置やレジカウンターが高すぎることも物理的バリアです。

・通路が狭い

・通路が滑りやすい

・車椅子では届かない位置にボタンがある

・段差が高い など

情報的バリア

2つ目は、情報的バリアです。主に、視覚障害や聴覚障害のあるかたが対象となります。

目が見えなかったり、耳が聞こえなかったりすることで視覚的または聴覚的な情報が得られません。

点字や音声案内などを利用し、障害があっても情報が得られる環境を整える必要があります。

・急な問題発生でも情報が得られない

・店内マップが確認できない など

意識的バリア

3つ目は、意識的バリアです。障害のある方や高齢者に対して吐かれた心無い言葉や偏見、差別は意識的バリアとなり、行動を制限することになります。

また、必要以上の同情や無関心もバリアに含まれます。店舗での意識的バリアをなくすには、店舗スタッフだけでなく顧客の協力も必要になるでしょう。

・点字ブロック上に荷物やカートが置かれている

・偏見の目でみられる など

制度的バリア

4つ目は、制度的バリアです。社会や店舗のルールや制度によって、平等であるべき機会が奪われることをいいます。

障害があるから入りたいお店に入れない、行きたい学校に行けないなど、制度的バリアが発生する状況は様々です。

・ペット不可のお店で盲導犬がいると入店できない

・障害があるから希望する学校の入学試験が受けられない など

店舗をバリアフリー化する際のポイント

店舗をバリアフリー化するといっても、どのようにすれば良いか分からないという方も多いのではないでしょうか。

ここでは、バリアフリー化する際におさえておくべきポイントを4つご紹介します。

十分なスペース

十分なスペース

店舗をバリアフリー化するには、車椅子やベビーカーが通れる十分なスペースを確保しましょう。そのためには、最低でも90cm以上の幅を確保しなければなりません。また、店内をディスプレイする際に通路に物を置かないといった配慮も必要です。

誰もが使いやすい高さ

カウンターやボタンなど、誰もが使いやすい高さにする必要があります。車椅子の場合、取りたい物が取れないことやボタンが押せないといった問題が発生します。そういったバリアを取り除くためにも、物の高さへの配慮をしましょう。

トイレ

店舗をバリアフリー化するには、トイレの広さや設備にもこだわりましょう。十分な広さを確保することで、車椅子の方だけでなくベビーカーをおす保護者も困難なく利用できます。また、車椅子の方でも使いやすい手すりや洗面台を設置しておくのがおすすめです。

スロープの設置

バリアフリーに特化した店舗にする場合は、段差を取り除き、スロープの設置をしましょう。高齢者は5cm以上の段差があると、つまずいたり転んだりする原因になります。

安全のためにも、段差ではなくスロープで高さをつけるのがおすすめです。また、スロープを設置する場合は勾配基準に従いましょう。

店舗をバリアフリー化する際の注意点

店舗をバリアフリー化する際の注意点

店舗をバリアフリーにする場合、注意しなければならないことが3つあります。バリアフリー化で失敗しないためにも、注意点を知っておきましょう。

全ての人に優しい店舗を意識

バリアフリー化をする際には、特定の障がいを持つ人だけでなく、全ての人が利用しやすい環境を意識しましょう。例えば、広めの通路や明るい照明などは、誰もが快適に移動できる設計です。

また、分かりやすい案内表示や音声案内を用意することで、全ての人が安心して利用できる環境になります。

対象者の特性に合わせる

バリアフリー化は、利用者の多様な特性に対応することが必要不可欠です。

例えば、視覚障害者の方には点字や音声案内を提供し、聴覚障害者向けには手話通訳や文字や図を使った案内板を用意するなどの配慮が必要です。また、高齢者や移動に制限のある方には、十分なスペースを確保したり手すりを設置したりすることで安心して利用できます。

空気もバリアフリーに

空気や流れや香りも、快適な利用環境にするポイントの1つです。適切な換気設備を導入し、清潔な空気を保つよう心掛けましょう。

また、温度や湿度の調整も重要です。高温多湿な季節や寒冷地では、快適な環境を提供するためにエアコンを調整する必要があります。

まとめ

店舗のバリアフリー化

店舗のバリアフリー化は、バリアがあっても快適に利用できる環境を提供する重要な取り組みです。物理的、情報的、意識的、制度的なバリアを考慮し、バリアのない店舗になるよう設計・改善を行いましょう。

店舗のバリアフリー化に取り組むことで、より多くの人々が店舗を利用できるようになり、新規顧客やリピーターの獲得が期待できます。CYPHERでは、バリアフリーに対応した店舗デザインや店舗改装などを行っています。

店舗をバリアフリー化したい方や、幅広い店舗に改装したい方はぜひ、CYPHERにご相談ください。

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