カフェの店舗デザインの費用相場はどれくらい?予算に応じた費用対効果の高いデザインのポイントを過去の見積もりをもとに解説します

カフェの開業を考えている方にとって、店舗デザインの費用はどのくらいかかるのか気になる方も多いのではないでしょうか。

カフェの店舗デザイン費用は、ほかの飲食店に比べて比較的安いと言われていますが、一概には言えません。実際にどのくらいの費用が必要なのか、内訳と合わせて費用相場を解説していきます。

合わせて、費用以上の効果が生み出せるカフェの店舗デザインのポイントについても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

サイファーのデザイン施工事例

知っておきたいカフェの店舗デザインの費用内訳

カフェの店舗デザイン費用の話に入る前に、店舗デザインの内訳について確認しておきましょう。

店舗デザインには、「設計・デザイン費用」と「施工費用」に大きく分かれます。それぞれの内訳の概要について確認しておくことで、カフェの店舗デザインの費用相場について詳しく理解できます。

設計・デザイン費用

まず初めに、店舗デザインについて説明します。店舗デザインとは、内装や外装、設備の配置などをデザインしたのち、設計図面を作っていく作業のことです。

店舗オーナーと打ち合わせをしながら店舗デザインを決めていきますが、この際に設計図面を作製するときにかかる費用を設計費用と呼んでいます。デザイン会社によっては、デザイン費用として記載しているところもあります。

施工費用

一方で、施工費用とは設計図面をもとに施工する際にかかる費用のことです。分かりやすく言うと、店舗が完成するまでの工事と考えておくといいでしょう。

そのため、施工費用にはさまざまな工程が含まれています。

内訳項目 工事内容
建築工事費 壁紙や床の張替え作業、塗装などの内装仕上げ、建具がガラスの工事、家具の製作など
設備工事費 電気・ガス・水道のインフラ工事、防災工事、空調設備工事など

 

施工費用は物件の状態によって幅があります。詳しくは次項で説明していきます。

カフェの店舗デザインの費用相場

カフェの内装設備工事の費用相場は、1坪あたり約50万円~100万円ほどです。このように相場に幅があるのは、店舗の規模やデザインのこだわりによって異なるからです。

ここからは、カフェの店舗デザインにかかる費用相場の内訳について説明していきます。

内訳:設計・デザイン費用

設計・デザイン費用の計算方法は、主に坪単価から計算する方法と総施工費における割合から計算する方法とに分かれます。

坪単価から計算 坪単価×総面積で費用を計算
総施工費における割合から計算 総施工費からデザイン料を計算

 

依頼するデザイン会社によってどちらの方法かは異なりますが、設計やデザインから施工まで一貫して担う会社の場合は、総施工費における割合からデザイン料を計算する方式が採用されることが多いです。目安は、総工費の10〜15%程度です。

坪単価からの計算は立地や物件の種類によっても異なりますが、1坪あたり約3万円~11万円を想定しておくといいでしょう。

内訳:施工費用

施工費用は物件の種類が大きく関係してきます。

まず、物件の種類は、居抜き物件とスケルトン物件があります。居抜き物件の場合であれば、1坪あたり約5万円~20万円が相場です。

一方スケルトン物件になると施工費用は大幅に上がります。スケルトン物件の施工費用は居抜き物件の約5倍かかると言われており、1坪あたり約50万円~100万円が相場となっています。

内訳:設備導入費用

カフェ経営をする上で欠かせないのが、コーヒーマシンや冷凍冷蔵庫などの厨房機器です。カフェで提供するメニューやサービスによって必要となる設備も変わってくるでしょう。

カフェの設備導入では、10坪ほどの店舗であれば約130万円必要になると言われています。

以下にカフェで必要になる厨房機器の一覧をまとめてみましたので、おおよその目安を付けておきましょう。

厨房機器 費用相場
エスプレッソマシン 約9万円~21万円
冷凍冷蔵庫 約25万円
オーブン付きガスレンジ 約15万円
製氷機 約13万円
食器洗浄器 約25万円~45万円
シンク 約5万円

カフェの店舗デザイン費用で大きく関わる物件の種類

店舗デザインの費用相場を見てもわかるように、カフェの店舗デザイン費用は物件の種類によって大きく差が出てしまいます。

安いからという理由だけで居抜き物件を選ぶのはおすすめできません。居抜き物件とスケルトン物件のメリットやデメリットを説明するので確認しておきましょう。

居抜き物件

居抜き物件とは、前オーナーが設備や家具、内装などをそのまま残した状態になっている物件のことです。

居抜き物件のメリットは、内装工事費を安く抑えられることです。また、必要な設備がそろっているため、厨房や水回りなどの工事が不要になることも考えられます。よって工事期間も大幅に短くなります。

しかし、残っている設備の経年劣化により使えない可能性もあります。また、居抜き物件は元々ある内装を元に工事を始めるため、レイアウトの融通が利きにくいです。

もう一つ気をつけたいのが、前テナントのイメージが残ってしまうことです。悪いイメージの付いた物件だと、今後の営業も不利になってしまいます。

居抜き物件を借りる際は、物件の状態だけではなく、前テナントの評判も調査しておくといいでしょう。

スケルトン物件

スケルトン物件とは、コンクリート打ちっぱなしで何もない状態の物件のことです。

スケルトン物件のメリットは、イチから店舗デザインを作るため自由なレイアウトを作れることです。また、新しい物件の場合は、耐震性や断熱性も高いことが挙げられます。

しかし、スケルトン物件は費用が高くなり工事期間も長くなってしまいます。店舗デザインの費用相場でも説明しましたが、スケルトン物件は居抜き物件よりも施工費用が約5倍かかってしまうため、予算オーバーになる可能性もあるでしょう。

カフェの店舗デザイン費用を抑えるポイント

なるべく費用を抑えてカフェ開業したいと考えている方も多いと思います。ここからは、店舗デザイン費用を抑えるポイントについて紹介していきます。

居抜き物件の活用

店舗デザイン費用で大きく関わる物件の種類ですが、条件が合えば居抜き物件を活用してみるのがおすすめです。

居抜き物件なら店舗デザイン費用を削減できるだけでなく、カフェ開業までの期間も短縮できます。

ただし、残されている設備によっては経年劣化しているものもあるので、物件を探す際は設備の状態も確認しておくといいでしょう。

中古の厨房機器を購入

カフェで必要な厨房機器は、新品でそろえると100万円以上もします。初期費用を抑えたいなら、中古の厨房機器を購入してみるのもおすすめです。

中古の厨房機器は値段が安いだけでなく、即日納品が可能なケースも多いのでいろいろ調べてみるといいでしょう。年式が古いと故障しやすくなるため、年式や保証期間も確認しておいてください。

国や自治体の助成金や補助金を活用

国や自治体には、店舗の開業をする際に助成金や補助金を受給できるものがあります。

助成金や補助金のメリットは、返済義務がないことです。助成金は条件を満たせば受給可能ですが、補助金に関しては審査を要するものもあります。

ただし、助成金や補助金を受給するまでには時間がかかります。基本的には後払いなので、初期費用としては見込まない方がいいでしょう。

カフェの店舗デザインで意識すること

カフェを開業する上で、漠然としたイメージでは店舗デザインの方向性も定まりません。イメージと合ったカフェを作るには、店舗デザインの決め方も大切です。カフェの店舗デザインで意識したいことを紹介します。

コンセプトの設計

コンセプトが定まっていると、店舗デザインを決めるのもスムーズになります。コンセプト作りは、具体的に考えられるよう「7W2H」の法則を使ってみるのがおすすめです。

Why(なぜ) 何のために開業する?
When(いつ) いつまでに開業する?
Where(どこ) どのエリアで開業する?
Who(誰) 誰が経営する?
Whom(誰に) ターゲット顧客層は?
What(何) どのような商品を提供する?
Which(どれ) 商品はどれを優先する?
How(どのように) どのように経営する?
How much(いくら) 店舗設計の予算は?

 

コンセプトが明確になれば、物件探しにも役立ちます。

空間を活用した居心地の良さ

カフェに訪れるお客様は、ティータイムを楽しむだけでなく、癒しや居心地の良さを求めて来店します。ゆっくりくつろげる空間は、お客様にとって至福の時です。

そのため、空間をうまく活用したレイアウトを考えてみるといいでしょう。例えば座席同士にゆとりがあるのか、照明はリラックスできる色なのかに焦点を当ててみてください。

また、空間だけでなくインテリアも厳選したものを選ぶことで、カフェのコンセプトがより際立ちます。

スムーズな動線

カフェの居心地の良さを求めるなら、動線も怠らないようにしましょう。動線は、お客様の動線と従業員の動線それぞれ考えなければいけません。

お客様の動線では、お手洗いや会計までの動線を意識するのがおすすめです。従業員の動線では、スタッフ同士やお客様との接触しないようにレイアウトを考えるといいでしょう。

まとめ

カフェの店舗デザインの費用は、ほかの飲食店に比べて安く抑えられますが、物件の立地や店舗デザインにこだわり過ぎると、1,000万円以上かかることも考えられます。

店舗デザインを妥協しなくても費用を抑えられますので、今回紹介しているポイントを押さえておきましょう。カフェは、お客様に癒しと心地良さを提供できなければいけません。店舗デザインがブレないよう、コンセプト作りから始めてみてください。

デザインコンセプト作成の流れは以下のページで詳しく解説しています。実際にお客様に提案しているマインドマップや図表、イメージパースを元に、考え方の整理方法からコンセプトを具現化するまでを解説していますので、ぜひこちらもご参照ください。

デザインコンセプト作成の流れ