飲食店の業態変更で絶対に失敗しないためのポイントとは?数々の業態変更に関わってきたデザイナーの視点で成功ポイントを解説します
業態変更とは、提供している商品やサービスをグレードアップしたり、サービス方式や営業方法を変更したりすることをいいます。
飲食店を経営している方の中には、近年のコロナ禍や人々の生活の変化をきっかけに業態変更を検討された方も多いのではないでしょうか。
しかし、業態変更をしたからといって必ずしも業績の回復や集客ができるわけではありません。飲食店の業績変更で失敗しないためのポイントやデザイナー視点での成功ポイントを解説します。
飲食店を盛り上げたい方や、業績悪化で悩まれている方はぜひ、参考にしてみてください。
飲食店の業態変更で失敗しないための5つのポイント
飲食店の業態変更で失敗しないためには、5つのポイントを押さえておきましょう。
①業態変更の目的を決める
飲食店の業態変更で最も重要なのが目的です。業態変更の目的は、メニューの見直しや店舗デザインを考える際の基盤となるため、明確にしておく必要があります。
なぜ、業態変更を行うのか、業態変更をした後はどのようになりたいのか、目的を設定しましょう。
例えば、新たな顧客を獲得、売上を伸ばす、競争力の強化など、具体的な目的があることで、業態変更に向けた戦略が明確になります。また、目的を達成するための手段や行動軸がブレるのを防ぐ役割としても効果的です。
さらに、目的を決めたら早めにデザイナーや設計事務所に相談しましょう。構想段階からプロに相談を始めることで、よりスムーズに目的がまとまります。もちろん私達サイファーにお気軽にご相談ください。
デザインコンセプト作成の流れは以下のページで詳しく解説しています。実際にお客様に提案しているマインドマップや図表、イメージパースを元に、考え方の整理方法からコンセプトを具現化するまでを解説していますので、ぜひこちらもご参照ください。
②目的に沿ってターゲットを絞る
業態を変更する際には、必ずターゲットの見直しが必要です。そこでは、幅広い層を対象とするのではなく、特定のターゲット層に焦点を当てることがポイントとなります。
特定のターゲットに絞ることで、ニーズや趣味嗜好などが分析しやすく、業態変更に関する施策が考えやすくなります。
例
ターゲット | ・20代
・男性 ・サラリーマン |
ニーズ | ・手軽に早く食べたい
・リーズナブルな価格帯がいい ・スマートフォンの充電がしたい など |
施策 | ・早く提供できるメニューの導入
・ランチセットを提供 ・テーブルにコンセントを設置する など |
③ターゲットやコンセプトに合わせてメニューに付加価値をつける
業態変更に伴い、新規顧客やリピーターを獲得するには、提供するメニューに独自性や付加価値が必要不可欠です。
メニューや商品に付加価値をつけ、競合店と差別化を図ることで「食べてみたい」「また行きたい」など集客に繋がる顧客の思いを引き出せます。
例えば、グルテンフリーの料理、オーガニック料理、こだわりの焙煎コーヒーなど、他店にはないメニューで顧客にとって魅力的な要素があれば、リピート率向上にも繋がります。
④一過性のものばかりを採用しない
飲食店の業態変更をする際、注目を集めるためにもトレンドを取り入れることは必要です。
しかし業態変更を失敗しないためには、長期的な視点で考えトレンドや流行りに依存することのないメニューやサービスの構築をしなければなりません。
一過性のものに頼り一時的に顧客を集めるのではなく、少しずつファンが増えるような持続可能な要素を取り入れるようにしましょう。そうすることで、安定的で持続可能な成果が上げられるようになります。
⑤変更するタイミングを見極める
業態変更において、タイミングは失敗しないために重要な要素です。飲食市場や競合店の動向をよく観察し、これから何が求められるのかを考えなければなりません。
コロナ禍であれば、テイクアウト需要が高くイートインのみの店舗でも、テイクアウトを開始した飲食店が多くありました。最近では、健康志向のユーザーが多く、グルテンフリーや大豆ミートのメニューなどが注目を集めています。
業態変更では、市場の状況や顧客のニーズや嗜好を取り入れることが失敗しないポイントです。「トレンド」ではなく、「ニーズ」を考えて取り入れましょう。
デザイナー視点で業態変更が成功するポイントを考える
私たちは、数多くのお客様の業態変更に関わってきました。その際に見つけた、業態変更で成功するポイントをデザイナー視点でご紹介します。
①長期的目線で考えている
業態変更に合わせて店舗を改装する際、長期的な視点でデザインを考えることが重要となります。内装設計や店舗デザインが一過性のものではなく、将来的にも顧客へ受け入れられる魅力を持っているかがポイントです。
時代を超えて愛されるデザインコンセプトを採用することで、独自性が生まれ飲食店のブランドイメージが強化され、長期的に顧客から支持を得られます。
②店舗デザインに強みがある
業態変更において、メニューやサービス内容だけでなく店舗デザインにも強みを出す必要があります。
例えば、他店と差別化をするために独自性のある店舗デザインや外装を採用することで、顧客の印象に残り、リピートに繋がったり、SNSへ拡散されたりします。
飲食店における店舗デザインは、ブランディングの強化や競合店との差別化となるため、業態変更で成功するために必要な要素の1つです。
③ニーズに合っている
デザインにおいては、店主やマネージャーの好みではなく、ターゲットとなる顧客層のニーズや嗜好に合った要素を取り入れることが成功の秘訣です。
顧客が求める雰囲気や体験をデザインに反映させることで、新規顧客やリピーターの獲得が期待できます。コストに関わらず、ニーズに合わせたデザインを突き詰めることが重要です。
④適切な内装になっている
変更した業態に適した内装にする必要があります。例えば、セルフサービス方式の飲食店へ業態変更したにもかかわらず、料理の受け渡し場所が狭かったり、注文窓口が店内の奥にあったりすると利用しづらいですよね。
業態変更後のサービス内容やサービス方法に適した内装は、顧客満足度を高めるためにも重要なポイントです。
飲食店が業態変更をするメリットとデメリット
飲食店の業態変更は、メリットばかりではありません。失敗しないためにも、デメリットも理解した上で取り組むようにしましょう。
メリット
新規顧客が獲得できる
新しいコンセプトやメニューによって、これまでの顧客に加えて新たな層からの注目や支持が集められます。これにより、売上の拡大やブランドの知名度向上が期待できます。
新しいことにチャレンジできる
業態変更は、新しいアイデアの実施や新サービスへ挑戦することになります。新しいメニューやサービス、内装や雰囲気の変更など、新たな要素を取り入れることで、従業員や顧客に新たな刺激を与え、飲食店全体のモチベーションが向上します。
デメリット
これまでの顧客に受け入れられないリスクがある
業態変更をしたからといって、必ずしも業績が回復するわけではありません。新しいコンセプトやメニューが市場や顧客に受け入れられなかった場合、経済的な影響や顧客離れが生じ、逆に業績が悪化する可能性が考えられます。
一時的な休業などのリスクがある
業態変更を行う場合、コンセプトやサービス内容の変更に伴い、店舗デザインや設備の変更も必要です。これには費用や時間がかかるため、一時的な休業や営業の制約が生じることも考慮しなければなりません。
まとめ
飲食店の業態変更で失敗しないためのポイントやデザイナー視点で成功するポイントを解説しました。業態変更を成功させるためにも、目的を明確にし、ターゲットのニーズに合ったサービスや価値を提供する必要があります。
ぜひ、ご紹介した内容を参考に飲食店の業態変更を考えてみてください。デザイン設計施工会社のサイファーでは、数々の業態変更に関わらせていただきました。
今までの経験や知識を元に、業態変更が成功するよう適切なアドバイスやサポートをさせていただきます。飲食店の業態変更でお悩みの方は、ぜひサイファーへご相談ください。