飲食店に最適なカウンターの種類とは?用途に合わせた種類とデザインのポイントを解説します
店内に入って、まず最初に目に入る場所と言っても過言ではないのがカウンターです。インパクトがありながら居心地の良いカウンターを作ることで、お客様の満足度も上がります。
自分の店舗に合うカウンターの種類を知って、おしゃれで実用的な内装デザインに仕上げてみませんか?多岐にわたるカウンターの種類や、カウンターをデザインする上でのポイントまで、詳しく解説していきます。
カウンターデザインを考えるポイント
まずは、カウンターを考える上でのデザインのポイントを見ていきましょう。
店舗の顔ともなり得るカウンターは、デザインの力の入れどころです。「たかがカウンター」とないがしろにしてはもったいない場所なので、ポイントをしっかり抑えて心地よい空間を作っていきます。
内装のイメージや客層を考える
店舗全体のデザインにも言えることですが、まずは内装のイメージや客層を考えて、店内の雰囲気を想像していきます。
若い方をターゲットにするのか、ファミリー層を取り込むのかなど、客層によって店舗の雰囲気は大きく変わります。
お客様の年齢層やターゲットにしている性別、属性などを細かく設定し、どのような雰囲気の店舗にしていきたいかを絞ります。
提供するものに合わせる
カウンターと言えば寿司店やバー、カフェなどが思い浮かびますが、どれも提供するものに合わせたカウンターデザインが必要です。
店舗のコンセプトにもよりますが、提供するもののイメージから大きく外れたデザインにすると、ちぐはぐな印象を与えてしまい、落ち着かない空間になることもあります。
提供するもののイメージと、内装デザインの擦り合わせもしっかりと行っていきましょう。
居心地の良さ
カウンターは従業員の働く場所とお客様のスペースを区切る使い方をすることが多いアイテムです。お互いが居心地の良さや使い勝手の良さを感じられるような空間にしていきます。
特に、お客様の中には「カウンターだと落ち着かない」と感じる方も少なくありません。
カウンターの奥行きや素材、高さなど、細やかな部分まで店舗に合わせてデザインしていくことで、心地の良いカウンターが生まれます。
接客スタイルに合わせる
お客様に提供したい接客のスタイルからも考えましょう。
例えば、お客様とのコミュニケーションを大切にしたい場合は、目線が合うような高さ設定にしたり、会話はせず回転率を上げたい場合は、立ち姿勢に近い状態で座る高めのカウンターにしたりと、店舗のスタイルに合ったカウンターを作ります。
接客スタイルも店舗の雰囲気のひとつなので、あらかじめ設定しておくとデザインがしやすくなります。
用途から決めるカウンターの形
店舗の形態や提供するものなどからカウンターの形を決めていきます。飲食店のカウンターとして使われる形は主に、I字型カウンター、L字型カウンター、コの字型カウンターの3種類です。
I字型カウンター
お客様が横一列で着席するI字型カウンターは、バーや居酒屋などでよく目にするカウンターです。店舗のスペースが狭い場合にも設置しやすいので、省スペースでカウンターを設置したいという場合にも有効な形です。
接客スタイルとしては、厨房に接するI字型カウンターはお客様と従業員が向かい合うので、会話を楽しむ店舗にぴったりです。
バーにI字型カウンターが多いのも、コミュニケーションを大切にしたいという思いが表れています。
L字型カウンター
広めの厨房スペースが取りやすく、複数のお客様を相手に接客をしやすいL字型カウンターは寿司店や鉄板焼き店など、高級志向の店舗に用いられやすい形です。
I字型よりも多くの視点から厨房が見られるため、調理中の姿をさながらライブ感覚でお客様に楽しんでいただけるのも利点のひとつと言えます。
L字型はお客様同士も顔が見える状態なので、従業員を介して初対面のお客様同士が会話を楽しむ光景も多々見られます。
オープンかつアットホームな雰囲気にしたい場合にも有効な形かもしれません。
コの字型カウンター
調理スペースや従業員の作業スペースを囲むように配置するコの字型カウンターは、カウンターだけでも客席数を多く確保できます。
少ない従業員数でも多い人数のお客様に注意を払いやすい形状で、1人のお客様にじっくり対応するというよりは、1人の従業員が複数のお客様の対応をするのに適した作りです。
広いスペースが確保できる比較的回転率の高い飲食店に用いられる傾向があります。
カウンターの高さで居心地が変わる
お客様の視線や位置を決めるのがカウンターの高さです。ローカウンター、ミドルカウンター、ハイカウンターといったように、大きく分けて3つの高さに分類できます。
ローカウンター
高さが700mm程度のローカウンターは、ダイニングテーブルなどと同じくらいの高さで足が床につくため、のんびりとくつろぎやすいのが特徴です。
低重心なので、お客様の座り心地は良いのですが、従業員がお客様を見下ろす視線となりやすい高さです。見下ろす状態にならないよう、厨房と客席の床の高さを工夫して設計します。
ミドルカウンター
高さが950mm程度のもので、座った際につま先が床につくかつかないかくらいの高さです。
ローカウンターとハイカウンターのいいとこ取りなのでは?と思うかもしれませんが、ネックとなるのが、この高さに合う椅子は種類が限られてしまうことです。
既存の椅子では雰囲気に合わない場合は特注することもあります。
ハイカウンター
高さが1050mm程度と、ローカウンターに比べると300mm近く高くなるハイカウンターは、バーなどで見かけることが多いかもしれません。
目線が高くなるので、カウンター内にいる従業員とも話しやすくなります。しかし、足が床につかない高さなので、長居には抜いておらず、ゆっくりしてほしい店舗の場合は不向きです。
店舗の雰囲気を左右するカウンターの素材
店内の雰囲気に一番影響するのはカウンターの素材ではないでしょうか。一般的によく用いられる木材、左官、メラミンを紹介していきます。
木材
あたたかみが感じられる木材は、空間の雰囲気をぐっと豊かにしてくれる素材です。合板、集成材、突板、無垢材など、一口に木材といってもさまざまな種類があり、どれを選ぶかによって価格も大きく変わってきます。
居酒屋やラーメン屋など、カジュアルな雰囲気を出したい時には合板、寿司店など高級感を出したい時には無垢材が使われることが多い傾向にあります。
左官(コンクリート)
無機質なイメージのコンクリートですが、かっこよく重厚感のある雰囲気が漂うため、スタイリッシュなコンセプトの店舗にぴったりです。
天板だけを左官にしたり、客席側の立ち上がりの部分だけを左官にしたりと、左官仕上げにする部分によっても印象が変わるので、デザインのし甲斐がある素材かもしれません。
メラミン
人工樹脂であるメラミンを使ったカウンターは、つるっとした表面で熱や水に強く、お手入れもしやすい素材です。
天然素材である木材や、職人仕上げの左官に比べると安価で手に入るのが嬉しいポイントと言えます。カジュアルな内装から、黒いものを選べばバーやクラブの少し重厚感がある雰囲気にも合わせられます。
飲食店に最適なカウンターの種類まとめ
店舗の雰囲気に合わせて最適なカウンターを作るためのポイントを紹介しました。
どの素材でどのような形にしようかを考えていると、店舗の様子も想像できて内装デザインのモチベーションも上がります。
私たちサイファーでは、お客様の夢を具現化するデザインを行います。ご希望のデザインをぜひご相談ください。