【5分でわかる】分電盤と配電盤の違いをわかりやすく解説!店舗設計のプロが解説します

分電盤と配電盤の違い

分電盤や配電盤といった言葉を聞いたことがある人も多いと思いますが、どのような違いがあるかきちんと理解している人はそれほど多くないのではないでしょうか。今回は、分電盤や配電盤がどのようなものなのか、その違いも含め紹介していきます。

店舗の開業に関するトピックは以下の記事カテゴリーでまとめています。開業するときにどんな手続きが必要なのか?開業資金はどれくらい必要か?など、をわかりやすくまとめていますので、ぜひこちらも合わせてご確認ください。

店舗開業のポイント〇配電盤

配電盤とは

配電盤とは

配電盤とは、発電所から送られてきた電気を分電盤に送る機器のことで、発電所などから送られてきた高圧電力を電化製品などが耐えることのできる程度まで変圧して分電盤へ電気を送る役割を持っています。配電盤は電力会社と高圧受電契約をしているビルや学校、工場などある程度の規模の施設に設置されるもので、低圧受電契約をしている一般家庭に設置されることはありませんので、なじみのない方も多いと思います。

配電盤を使用しなくても、発電所などで変圧したものを送ればいいのではないかと思う方もいるかもしれません。しかし、電気にはより高い電圧で送電した方が、送電の時に発生する抵抗などのロスが減少するという性質を持っているため、ロスを最低限に抑えるためには高圧で送電し、使用前に変圧するというのが効果的であるため現在の方式が採用されています。

配電盤の構造

配電盤は大きく閉鎖型(キュービクル)と開放型の2つに分けることができます。

閉鎖型(キュービクル)は、金属のケースに変圧や送電のための機器が収納されているタイプのことで、学校やビル、場所によってはコンビニなどの高圧受電契約をしている施設などで使用されています。機器がケースに収納されており、簡単に開閉できないようになっていますので、安全性も確保されています。

開放型は、鉄などで造られたフレームに送電に必要な機器類が取り付けられているタイプのことで、以前はよく使われていましたが、保守性や安全性の面から減少して生きています。また、現場での施工期間が閉鎖型(キュービクル)よりも長くなることも減少している要因の一つです。

配電盤の送電の仕組み

配電盤の送電の仕組み

電機以外のエネルギー(火力、水力、太陽光など)から発電所で発電し、その電気を超高圧変電所、一次変電所、二次変電所などの変電所に送ります。ここで、電気の届け先を振り分け、送り先ごとに適切な電圧に変圧して送電します。電線を通って柱状変圧器(トランス)や配電盤に送られ、我々が利用できる程度に変圧され、利用することになります。

分電盤とは

分電盤とは

分電盤とは、漏電ブレーカーや安全ブレーカーが中にあり安全に電気を提供するための装置のことで、配電盤から送られる電気をさらに照明やコンセント、モータなどへ電気を分け与える役割を持っています。分電盤はその性質から、ほぼすべての建物に設置されており、電気を分配する役割を果たしています。

要するに、電気の使い過ぎなどでブレーカーが落ちたときに確認しに行く機器が分電盤です。多くの場合、壁面に埋め込まれて設置されており、誤操作防止のためにふたなどがしてあることもありますが、各家庭でも目にしたことがある方も多いと思います。

分電盤とブレーカー

分電盤とブレーカー

「分電盤」という言葉は聞きなじみがなくとも、「ブレーカー」という言葉を聞いたことがある人は多いかもしれません。しかし、分電盤とブレーカーは厳密にいえば同じものではありません。冒頭でも記載していますのでお分かりのかたもいるかと思いますが、分電盤は電気を分配する機器全体のことを指し、ブレーカーとは、その中にある電気を遮断する装置のことを指しています。

そもそも、ブレーカーとは、規定以上の電気が流れたときや漏電を感知したときに電気を遮断する機械のことで、これがあることによって、私たちは安全に電化製品などを利用できているといっても過言ではありません。ブレーカーにはいくつか種類があり、私たちになじみがあるのは、「アンペアブレーカー」「漏電ブレーカー」「安全ブレーカー」の3種類です。

アンペアブレーカー

アンペアブレーカーとは、電気会社と契約しているアンペア数を超える電気量を使った場合に、電気の供給を遮断するブレーカーのことで、電力会社によっては、「契約ブレーカー」「サービスブレーカー」などと呼ばれることもあります。アンペアブレーカーは、家全体の電気を管理しているものですので、これが落ちると家全体が停電してしまいます。

場合によってはこれが設置されていないこともあります。アンペアブレーカーがない場合には、「スマートメーター」(電気の使用量をデジタルで計測できる電力メーター)がアンペアブレーカーの役割を担っています。

安全ブレーカー

安全ブレーカーとは、回路ごとの電気を管理しているブレーカーのことで、部屋ごとに分けられていることが多いです。ただし、エアコンや電気温水器など消費電力の大きい機器を設置する場所には専用の回路が設置されていることもあります。安全ブレーカーは、「子ブレーカー」「分岐ブレーカー」などと呼ばれることもあり、電気を使いすぎた場合やその回路で使用している機器がショートした場合に、該当回路の電気だけを遮断します。

漏電ブレーカー

漏電ブレーカーとは、その名の通り回路のどこかで漏電が起きたときに電気を遮断するブレーカーのことです。漏電が起きたまま電気が流れ続けると、感電や火災などの危険や電気機器が故障してしまうリスクがありますので、それを防ぐために漏電が起きたら電気を遮断する必要があります。我々が電化製品を安全に使用し、安心して生活するうえで一番重要な役割を持っていると言えます。

おわりに

配電盤と分電盤の違いについて

今回は、配電盤と分電盤の違いについて説明してきました。私たちの生活に関わりの深いのは分電盤やブレーカーですが、事業を行う場合に配電盤なども必要になってきますので、その違いをきちんと理解して置くようにしてください。

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