イートインスペースの店舗デザインのポイントとは|テイクアウトと共存する導線設計について
生活様式が変わり、テイクアウト専門店やイートインもテイクアウトもできる店舗が増えてきました。イートインとテイクアウトを共存させるのは、意外とむずかしいこともあり「どのようなデザインがいいのかわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
イートインとテイクアウトの共存や、イートインの店舗デザインのポイントをわかりやすくまとめてみました。イートインを選ぶ人もテイクアウトの人も、ストレスなく利用できる店舗を目指しましょう。
店舗デザイン、オフィスデザイン、住宅のデザインなど、幅広いジャンルの設計施工を承っております。気になるデザインがございましたらお気軽にお問い合わせください。
イートインとテイクアウトが共存する導線設計
食べている人と持ち帰る人が共存するスペースをつくるにはコツが必要です。導線設計のコツを紹介します。
テイクアウトと混同しない導線を確保
注文口がひとつだと、イートインスペースが空いていてもテイクアウトの人と同じ列に並ばなくてはならなくなり、サッと食べたい人の時間を奪ってしまうことになります。
イートインスペースを利用する人とテイクアウトの人の注文はなるべく分けて注文を取れる設計にしましょう。すると、イートインスペースを利用している人、利用しようとしている人がどれくらいいるのかや、テイクアウトはどれくらい待っているのかなどが一目でわかるようになります。
まずは、注文の段階でお客様が困ってしまわないよう、配慮の行き届いた注文口の設計をしましょう。また、入り口が狭いと入る人と出る人、待機する人などでごった返す可能性があります。入り口は広めに取ると導線もスムーズになります。
人の出入りが気にならない配置
イートスペースで食事をしている時に、人の出入りが全て見えてしまうと落ち着いて食事ができないこともあります。
店舗入口やテイクアウトの注文口、待機列などは、イートインスペースからなるべく見えない工夫をしましょう。狭い店舗でも、座席の向きを工夫するだけでも印象が大きく変わります。どのような配置にすれば、落ち着けるかを綿密に考えるのがポイントです。
視線が食べている人に向かない工夫
入店時に食事中の人と目が合ってしまったり、食事の内容が見えてしまったりすると、お互いに居心地が良くありません。人の出入りが気にならない配置を心がけると同時に、立っている人からも食事中の人に目がいかない工夫をすると良いでしょう。
例えば、衝立を配置したり、照明や絵画などで目線を上に上げる装飾をするだけでも、視線が食べている人の方に集中しなくなります。そうすれば、お互い気持ちよく空間に共存できるでしょう。
イートインスペースの店舗デザインのポイント
イートインスペースのある店舗のデザインのポイントはどのようなものがあるでしょうか。4つのポイントを順番に解説します。
サクッと食べられる手軽さを表現
イートインとテイクアウトが選べる店舗では、料理の提供に時間がかからないことが多いのではないでしょうか。イートインでサクッと短時間で食事を楽しむことができ、手軽に美味しいものが食べられることをアピールできるような店舗デザインにすると良いでしょう。
シックな印象のデザインをするよりは、あたたかみのあるデザインや明るいデザインの方が、手軽さを表現しやすい傾向にあります。
どんなお店かがわかるようなファサード
なにが食べられるお店なのかをファサードの時点でわかるようにすることが大切です。ファサードにメニューがチェックできるものがあれば、食べたいものを決めてから入店できるので、店内での注文の流れもスムーズになる可能性があります。
メニューは入店の決め手になる重要なアイテムのひとつなので、ファサードのどこかに取り込むことを念頭にデザインしましょう。
イートインできることをアピール
イートインスペースがあっても、アピールしていないと使ってもらえない場合があります。また、あることに気づいていても、あまり使われていないように見えてしまうと、さらに使われず悪循環が生まれます。
座席数が少なくても、気軽に使える雰囲気をデザインでアピールしましょう。
イートインスペースは簡素な印象よりも、あたたかみのあるおしゃれな空間の方が入ってみたくなります。テーブルと椅子を置くだけでなく、壁紙の素材や装飾にもこだわってデザインするのがおすすめです。
待ち時間がストレスにならない空間
テイクアウトの場合、料理が手に渡るまでに待ち時間が発生することも考えられます。
提供する料理の調理時間をもとに待ち時間を考え、待ち時間を過ごすスペースのデザインもしっかりと考える必要があります。待ち時間が長めの場合、立って待たなくてはならないデザインだとストレスに感じるでしょう。座って待てる場所を確保することが大切です。
また、待ち時間が発生することが確実な店舗は、その間に読める雑誌や漫画を設置したり、ウォーターサーバーでお水の提供をしたりしても良いでしょう。自分の店舗にぴったりの、待つストレスが最小限になるようなデザインやサービスを考えてみてください。
イートインスペースのメリット・デメリット
イートインスペースの設置を悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
イートインスペースには、出来立てをその場で食べてもらえたり、食べたいと思った時にすぐに食べてもらえるメリットがあります。テイクアウトは持ち運びの時間があるので、どうしても出来立ての美味しさを維持することはむずかしいでしょう。
その点、イートインであれば、その料理を一番美味しい状態で食べてもらえます。
メリットの反面、デメリットもあります。2024年7月現在、イートインとテイクアウトでは商品にかかる税率が違います。イートインは10%、テイクアウトは8%なので、会計時に手間がかかることもあるでしょう。
しかし、この問題は、注文口を分けることで解決します。デメリットよりもメリットの方が大きいと感じる方は、ぜひイートインスペースのある店舗に挑戦してみてください。
まとめ
イートインとテイクアウトが共存する店舗は、普通の飲食店に比べてデザインの段階で気を遣わなければならない点が多くあります。特に、導線の問題は、リピート利用にもかかわる重要な問題なので、慎重にデザインしましょう。
私たちサイファーは、イートインとテイクアウトの両方が楽しめる店舗のデザインも承ります。「こんな店舗にしたい」などの理想をぜひお聞かせください。