店舗を開業するときにはどんな費用がかかる?初期費用はどれくらい?

店舗を開業する際にかかる費用

店舗を開業する際には、物件の契約費用、内装工事費、開業に必要な許認可の取得費用など、さまざまな費用が発生します。しかし、どのくらい必要なのか知らなければ、資金を準備するのは難しいですよね。

店舗開業時にかかる初期費用の内訳や相場、さらに初期費用を抑えるためのポイントを詳しく解説します。また、店舗開業後に必要な費用についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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店舗開業するときに必要な初期費用

店舗開業時の初期費用

店舗開業をするためには、まずどのような費用が発生するのかを知っておくことが大切です。

店舗開業の場合は、大きく分けて4つの初期費用が発生します。

1.物件契約費

2.内装工事費

3.営業許認可取得費

4.その他費用

それぞれについて、詳しく解説していきます。

物件契約に必要な費用

物件を契約するためには、家賃のほかに敷金・保証金や礼金、前家賃、仲介手数料が発生します。これらを支払わなければ、物件を借りることはできません。

敷金・保証金 ・物件の使用中に発生した損傷や修繕費のために保管されるもの。

・契約終了時に一部または全額が返金されることがある。

・事業用物件の場合は10〜12ヶ月分が相場。

礼金 ・オーナーに対する謝礼金で、返金されない費用。

・家賃の1〜2ヶ月分が一般的。

・物件によっては礼金がないこともある。

前家賃 ・契約時に前もって支払う家賃。

・オーナーや管理会社によっては、2ヶ月分を支払うこともある。

仲介手数料 ・不動産会社を通してテナントを契約した場合に発生する。

・不動産業者に対して支払う手数料

・法律で家賃の1ヶ月分が上限と定められている。

内装工事費用

店舗の内装工事費用

内装工事費用として発生する費用には、内装工事費用と設備費用の2種類があります。

内装工事費用は、店舗デザインやその工事にかかる費用です。店舗の規模やデザイン、使用する素材などによって費用が大きく異なります。また、飲食店の場合や厨房やカウンターの設置が必要になるため、その他の店舗より内容工事費が高くなります。

設備費用とは、厨房機器や照明、家具、装飾品など、店舗営業に必要な設備を整えるための費用です。飲食店であれば、上記の他に冷蔵庫やオーブン、カトラリーなども必要になります。

営業の許認可取得の費用

飲食店や小売業のような特定の業種では、営業を開始する前に必ず許認可を取得する必要があります。

例えば、飲食店の場合、食品衛生法に基づいた営業許可が必要であり、さらにアルコールを提供する店舗では、酒類販売許可の申請も求められます。これらの許認可の申請費用は業種によって異なるため、事前に調査して予算に組み込むことが重要です。

また、飲食店を開業する際には保健所の検査が必要です。これは、店舗が衛生基準を満たしているかを確認するために行われるもので、この検査にも一定の費用がかかります。

保健所からの許可を取得しなければ営業ができないため、開業前にしっかりと準備を進めておくことが大切です。

その他の費用

店舗の宣伝費用

新規店舗の開業を成功させるためには、地域やターゲット層に向けたプロモーションが欠かせません。チラシやweb広告の制作費用、場合によってはSNS運用の費用が発生することもあります。

加えて、保険料も削ることのできない店舗開業に必要な初期費用です。店舗経営では、予期せぬ事故や災害のリスクに備えるために、火災保険や損害保険などの加入が必要です。

適切な保険に加入しておくことで、万が一のトラブルにも対応でき、店舗経営の継続が可能となります。

店舗開業にかかる初期費用の相場は?

店舗開業にかかる初期費用の相場

実際に店舗を開業する際にどれくらいの初期費用がかかるのでしょうか。おおよその相場を具体的に見ていきましょう。

ここでは、10坪程度の店舗を例に挙げて説明します。

敷金・保証金 100万円(事業用物件の場合)
礼金 30万円〜60万円
前家賃 15万円〜60万円
仲介手数料 15万円〜30万円
内装工事費 100万円〜数百万円
許認可取得費 1万5000円〜3万円
その他費用 5万円
合計 数百万円〜1,000万円

上記費用はあくまでも相場です。物件の場所や広さ、事業内容、工事内容などによって大きく変動するため、参考程度に考えておきましょう。

店舗開業後に必要な費用

店舗開業後に必要な費用

店舗開業後にも、毎月の運営に必要な費用が発生します。これらの費用も事前にしっかりと把握したうえで、運営計画を立てておくことが重要です。

家賃・公益費

家賃は立地や物件の規模によって異なりますが、毎月発生する固定費のひとつです。特に商業エリアや人通りが多い場所では、家賃が高額になる傾向があります。

家賃は固定費の中でも大きな割合を占めるため、売上とのバランスを考慮し、適切な物件選びが必要です。

また、建物の維持管理費として共益費も毎月発生します。これはエレベーターの保守点検や共用スペースの清掃費用などに充てられる費用で、家賃と一緒に支払うことが一般的です。

光熱費

電気代、ガス代、水道代などの光熱費は、店舗の運営において欠かせない支出です。特に飲食店などでは、厨房機器の使用頻度が高いため、光熱費が大きな負担となることが少なくありません。

エアコンや照明の利用も含め、光熱費が毎月の固定費として計上されるため、それらを考慮した上で資金計画を行いましょう。

人件費

従業員を雇用する場合、毎月の給与や福利厚生費も重要なコストとなります。給与だけでなく、社会保険料や労働保険料なども経営者が負担するため、これらの費用をしっかりと計算に入れておく必要があります。

店舗開業の初期費用を抑えるポイント

店舗開業の初期費用を抑えるポイント

店舗開業を成功させるためにも、できるだけ初期費用を抑えたいという事業主は少なくありません。ここでは、初期費用を抑えるための具体的な方法を3つご紹介します。

礼金不要な物件を選ぶ

礼金が不要な物件を選ぶことで、契約時の大きな初期費用を大幅に削減できます。最近では、礼金なしの物件も増えているため、希望条件に加えて物件を探すのもおすすめです。

居抜き物件にする

前の店舗の設備や内装をそのまま利用できる「居抜き物件」を選ぶことで、内装工事費用を大幅に節約できます。居抜き物件は特に飲食店や美容室などで多く見られ、厨房機器や什器をそのまま使えることが大きなメリットです。

補助金・助成金を利用する

国や自治体が提供している補助金や助成金を利用することで、初期費用を軽減できます。名古屋市では以下の補助金が利用可能です。

補助金制度 概要
小規模事業者持続化補助金 小規模事業者の販路開拓や業務効率化の取り組みを支援するための補助金制度
名古屋市スタートアップ企業支援補助 成長が見込まれる企業の創業を促進するための補助金制度

ただし、補助金や助成金を利用するには、条件を満たし審査に通過する必要があります。必ずしも受給できるわけではないので注意しましょう。

まとめ

店舗の初期費用相談

店舗を開業するには、物件契約や内装工事、営業許認可の取得など、多岐にわたる初期費用がかかります。これらの費用をしっかりと把握し、適切な予算計画を立てることが店舗開業成功の鍵です。

初期費用の相場は業種や立地、店舗の規模によって異なりますが、数百万円から1,000万円前後が目安です。

しかし、礼金不要の物件を選んだり、居抜き物件を活用したりすることで、初期費用を大幅に抑えられます。また、国や自治体の補助金や助成金をうまく活用することで、負担を軽減することができます。

開業を成功させるためにも、これらのポイントをしっかり押さえ、効率的に準備を進めていきましょう。