ワンオペ営業の飲食店の店舗デザインのポイント|効率的な厨房設計で一人で切り盛りするポイントとは

近年では、1人の従業員で全ての業務を回すワンオペ営業の飲食店が増加しています。

自由に物事が決められたり、人件費が抑えられたりといったメリットがありますが、1人で全ての業務をこなすのは大変ですよね。ワンオペ営業で飲食店を回すポイントとなるのが、店舗デザインです。

効率的で動きやすい店舗デザインにすることで、ワンオペ営業でもスムーズに仕事が回せるようになります。

ワンオペ営業の飲食店における店舗デザインのポイントや、効率的な厨房設計のポイントを分かりやすくまとめました。ワンオペの飲食店を開業予定の方だけでなく、小規模の飲食店を開業予定の方の参考にもなる内容です。

ワンオペ飲食店の店舗デザインのポイント

ワンオペ飲食店の店舗デザインでは、効率的な配置や使いやすさが求められます。では、実際にどのような店舗デザインにすることで効率がよく使いやすくなるのでしょうか。

ポイントは主に5つです。

①カウンター内で業務が完結できるデザイン

ワンオペ飲食店では、全ての業務を1人でこなすため、作業の効率化が重要となります。オーダー、配膳、会計、片づけの全てがカウンター内からできるだけでも、移動時間が短縮されますよね。

無駄な動きを最小限に抑える店舗デザインにすることで、仕事が効率的に進められます。また、カウンター内に常に滞在していることで、顧客とのコミュニケーションがスムーズに取れるようになり、顧客満足度の向上も期待できます。

②セルフサービスアイテムの配置スペース

ワンオペで飲食店を回すには、やらない業務を作る必要があります。そこで有効なのが、飲み水のセルフサービスや券売機の設置です。

セルフサービス方式を導入することで、料理や片付けなど他の業務に専念でき、顧客もスムーズにサービスが受けられます。

しかし、セルフサービス方式を導入するには、ウォーターサーバーや券売機などを配置するスペースを確保しなければなりません。顧客が利用しやすく、店舗の雰囲気を壊さないスペースを確保することが重要です。

③フレキシブルな家具を使用する

ワンオペの飲食店では、折りたたみ可能なテーブルや椅子、軽量な家具の使用がおすすめです。飲食店では、場合によってテーブルや椅子といった家具を移動させなければならないこともあるでしょう。

しかし、重量や大きさのある家具では移動をさせづらく、スムーズな対応が困難です。扱いやすいフレキシブルな家具を使用することで、柔軟に顧客の要望に対応ができます。

フレキシブルな家具の例 ・スツール

・スタッキングチェア

・折りたたみチェア

・アームレストのないダイニングチェア など

 

④外観に特徴を持たせる

通常業務で忙しいワンオペの飲食店では、集客活動を行わなくても来店したくなる外観を作ることがポイントとなります。

競争の激しい飲食業界において、外観の魅力は集客に繋がるためこだわりたい要素です。店舗の外観デザインは、通行人や顧客の安心感や来店意欲などへ影響をもたらします。

印象に残る外装や特徴的な外観のお店を見つけた時、「入ってみようかな」「今度行ってみたい」と思ったことはありませんか?魅力的な外観の店舗は、集客効果が得られるのです。

⑤座席数を増やしすぎない

ワンオペ店舗の場合、たくさんの顧客へ来店して欲しいからといって座席数を増やしすぎてはいけません。座席数が多すぎると、満席になった際に手が回らなくなり、サービスの質の低下や顧客満足度が低下する恐れがあります。

顧客離れを回避するためにも、1人でも対応できる適切な座席数を見極め、顧客へ十分なサービスが提供できる店舗デザインを整えましょう。一般的にワンオペ営業の飲食店におすすめの座席数は10程度です。

ワンオペ飲食店の効率的な厨房設計とは

ワンオペ営業の飲食店の厨房は、スタッフが一人で様々な業務をこなさなければならないため、効率的で使いやすい設計が求められます。以下では、効率的な厨房設計のポイントを紹介します。

広めの厨房

ワンオペなのに広さが必要なのかと疑問に思われた方も多いでしょう。

ワンオペ営業の場合、料理の効率を上げるためにあらかじめ仕込みをしておいたり、下げた食器をためておいたりする必要があります。それらを置いておくための場所が必要となります。

一般的な厨房の広さまでは必要ありませんが、物を置いても狭く感じない程度の広さが必要です。飲食店の種類や店舗デザインによって広さは異なりますが、店舗全体の20~35%程度が適切です。

コンパクトな配置

作業をスムーズにこなすには、調理器具や食材などのコンパクトな配置が重要となってきます。頻繁に使用するアイテムや食材を定位置の近くへ配置しておくことで、欲しい時にサッと取り出せるため作業効率が上がります。

無駄な移動や無駄な動きを排除するためには、設備や物の配置にこだわりましょう。

スペースの有効活用

ワンオペ飲食店の広さは、8〜10坪程度が適当です。決して広くはないため、調理器具や食器などを収納しておくためにはスペースを有効活用する必要があります。

例えば、吊戸棚へワイングラスハンガーを取り付けたり、壁や棚の側面にフックを取り付けたりする収納方法や収納棚へ仕切り棚を取り付けるといったスペースの有効活用ができます。

また、調理台やカウンターも複数の作業が同時に進められる設計がおすすめです。

道線を意識

ワンオペの厨房では、料理を提供するまでの流れをスムーズにするために、食材の取り出しから調理、提供までの道線を意識した設計が必要です。

流れるように作業ができる厨房であれば、迷うことなく料理を進められるので、オーダーから提供するまでの時間が早まります。また、移動距離も減るため作業効率の向上へと繋がります。

オープンキッチン

ワンオペの飲食店に1番おすすめの厨房設計が、オープンキッチンです。オープンキッチンとは、調理スペースが客席から見えるデザインとなっています。

顧客から常に見られるため、見栄えをよくする必要がありますが、コミュニケーションを取りながらも料理が進められるため、業務を効率化したいワンオペの飲食店に最適なデザインです。

また料理風景が見られるオープンキッチンは、トレンドの店舗デザインでもあり様々な飲食店から人気を集めています。

ワンオペで飲食店をスムーズに回すコツ

ワンオペで飲食店を効率的かつスムーズに運営するためには店舗デザインが重要ですが、それ以外にも工夫が必要です。以下では、ワンオペで飲食店をスムーズに回すコツを紹介します。

サービス方法の見直す

ワンオペで飲食店をスムーズに回せるようになるには、まずサービス方法を見直しましょう。

例えば、テーブルまでのフルサービスよりも、セルフサービスや注文カウンターでの受け取りなど、スタッフが直接関わらなくても済む方法を導入することで、スタッフの負担を軽減できます。

その他にも、料理をお盆に配膳した状態で受け渡す方法があります。これは、配膳が楽になるだけでなく、食器を下げるのも簡単になるため、忙しいワンオペの店舗におすすめのサービス方法です。

仕込みをしておく

忙しい時間帯の前に、料理の仕込みを行っておくことが大切です。食材の下ごしらえや時間のかかる料理の下準備を事前に行っておくことで、注文が入った際にスムーズに対応ができます。

冷蔵庫やストックエリアの整理整頓もスムーズに業務を進めるためには欠かせません。

メニューを見直す

ワンオペ店舗では、メニューの見直しも重要です。短時間で作れる効率的なメニュー構成にすることで、下準備や調理にかかる時間を最小限に抑えられます。

また、同じ食材で作れるメニューを増やすことで、食材の下準備が楽になったり食材の収納場所を縮小できたりします。例えば、唐揚げを使用したメニューとして、チキン南蛮や酢豚など。唐揚げから違う料理へ作り替えることが可能です。

まとめ

ワンオペ飲食店の店舗デザインのポイントと効率的な厨房設計のポイントを分かりやすくご紹介しました。

ワンオペの飲食店では、効率的で使いやすい店舗デザインであることが重要です。配置場所や動線など、ちょっとしたことにもこだわり使いやすい内装にしましょう。

しかし、どのような内装が効率的なのか、実際に使いやすい店舗デザインにはどうすれば良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

サイファーでは、飲食店の店舗デザインに関するご相談を受け付けております。

「ワンオペに適切な店舗デザインを提案して欲しい」「厨房を使いやすくしたい」など、ワンオペ飲食店の店舗デザインに関するお悩みがある方は、ぜひサイファーへご相談ください。

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