【5分でわかる】梁(はり)とは?建築における役割について解説します。柱(はしら)との違いを理解しましょう。
建築物の構造材のひとつで、重要な役割をはたす材料が梁(はり)です。同じ構造材の柱(はしら)と混同されることが多く、どこに使われているかわからない方もおられることでしょう。
そこで今回は、梁(はり)の建築物における役割や、柱(はしら)との違いについて解説していきます。完成後には隠れてしまう部分ですが、建築物を支える重要な材料ですので、その役割をしっかり理解していきましょう。
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梁(はり)とは?
梁(はり)は建築物の構造躯体の一種で、柱の上に取付られ水平方向の力を支える材料です。梁(はり)には、使用する場所によってさまざまな呼び名があります。
・床梁(ゆかばり):2階の床を支える梁
・小屋梁(こやばり): 小屋組みを受ける梁
・妻梁(つまばり):最も外側に位置する梁
・火打ち梁(ひうちばり):梁と梁が直角に交差する角の部分に設置する梁
それぞれに同じ梁であっても長さや大きさも異なり、使用目的も変わってきます。さらに、木材での梁以外にも鉄骨梁、RC梁など材料での違いもあります。
一言に梁(はり)といっても、さまざまな種類がありますが、建築物における重要な構造材であることに違いはありません。
梁(はり)と柱(はしら)の違いとは?
梁(はり)と柱(はしら)の違いについてですが、簡単に説明すると、梁(はり)は水平方向(横方向の部材)であり、柱(はしら)は鉛直方向(縦方向の部材)です。
建築物の骨組みである構造材という点は同じですが、使用する場所が違います。
サイズの点で説明すると、梁(はり)は太くて長い材料を使用することが多いですが、柱(はしら)は決まった寸法のものを使用することが多いです。
柱(はしら)はサイズが決まっているため、建築物の間取りに対して必要な所に設置していき、2階の床や梁、屋根や小屋組みなどの家全体の重量を支え、力を逃がしていく効果もあります。
梁(はり)と柱(はしら)の違いがわかってきますと、構造の部分をみるのが面白くなると思いますので、ぜひ建築物の構造材について理解を深めていきましょう。
梁(はり)の役割とは?
梁(はり)は、建築構造における重要な要素で、その役割は主に以下の通りです。これらの役割に応じて様々な材料、形状、寸法で設計され、建築物の安全と機能性を支える重要な部分となっています。
荷重の支持と伝達
梁は、屋根、床、壁などの荷重を支持し、それを柱や壁に伝達する役割を果たします。これによって、建築物全体の安定性と強度が確保されます。
空間の区画
梁は、空間を区画する役割も果たすことがあります。部屋の間仕切りとして使われることがあるほか、天井のデザイン要素としても使用されることがあります。
構造の連結
梁は、建築物の構造部材を互いに連結し、統合する役割も果たします。これによって、建築物全体の剛性が高まり、地震などの外力に対する耐久性が向上します。
設備の取り付け
一部の梁は、照明設備や通信ケーブルなど、内部設備の取り付け用として機能することもあります。この役割によって、空間の有効活用と機能的な設計が可能になります。
梁(はり)に適した木材とは?
梁(はり)は建築物の構造躯体の中でも、特に荷重を受ける部分であり、特に木材の梁(はり)の場合は適した木材を使用することが求められます。
荷重に耐えるための曲げヤング係数、せん断強度というものが必要です。ここではその木材の種類について紹介します。
・米松(ベイマツ):一般的によく使用されている木材で、曲げ強度、せん断強度共に高い材料
・地松(ジマツ):曲げヤング係数が非常に高い材料ですが、流通が少なく価格が高め
・杉(スギ):柔軟性があり加工性もよく流通量も高いため、比較的安価ですが、強度面では他に劣る
・レッドウッド(欧州赤松):輸入の集成材であり流通量も多く、曲げヤング係数、せん断強度も高い
上記のような樹種が梁(はり)で使用されることが多い樹種です。それぞれに特徴があり、強度面とコスト面とで検討を行い選んで行く必要があります。
おしゃれな化粧梁で空間演出
構造躯体として、建築物の完成時には隠れてしまう梁(はり)ですが、そんな梁(はり)をあえて見せることで空間のアクセントにできます。
天井から梁が見えるような形や、吹き抜け部分の梁をあえて見せるデザインにすることで、おしゃれな空間づくりが行えます。
梁(はり)に塗装を行い、部屋のスタイルに合わせたり、木材の特徴を生かして無垢材を使用したりとさまざまなアレンジが可能です。
設置によるコストアップや設置後の掃除の難しさなどのデメリットもありますが、空間に変化をつける方法としてぜひ参考にしてください。
まとめ
今回は、建築物の重要な構造材の梁(はり)について解説していきました。使う部位で種類が変わったり、木の梁(はり)で適した樹種が違ったりと意外と奥が深いものだったのではないでしょうか。
建築物の中でも、構造躯体は完成後に簡単に取り外したり、付け替えたりができない部分であり、建築物を形づくる非常な重要な役割をはたしています。
そんな構造躯体ひとつ梁(はり)の理解を深める参考になれば幸いです。さらに今回紹介した化粧梁といった構造躯体を利用した空間演出に興味がある方は、私たちサイファーにご相談ください。
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