京都の倉俣史朗展と隈研吾建築巡り|コンセプトデザインの魅力を伝えるVlog
みなさんこんにちは、サイファーの溝渕です。
今回は、京都国立近代美術館で行われている倉俣史朗 ー記憶の中の小宇宙展 を見学していきましたので、その様子をご紹介します。
倉俣 史朗さんは、空間デザインや家具デザインの分野で60年代初めから90年代にかけて世界的に傑出したデザインを生み出したデザイナーで、現在も世界中のデザイナー、建築家、アーティストに影響を与え続けています。
今回は、普段デザインに関わらない方々に向けて、私独自の主観と考えも交えてご紹介し、デザインの魅力や面白さを伝えていきたいと思います。
また、合わせて、京都の以前から気になっていたお店や商業施設も少し立ち寄れましたのでご紹介したいと思います。
倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙
https://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionarchive/2024/459.html
倉俣史朗とは
今回は、京都国立近代美術館で行われている倉俣史朗 ー記憶の中の小宇宙展 を見学していきました。
倉俣史朗は、1960年代から亡くなる1991年まで、高度経済成長とともに変化し続ける都市を舞台に、同時代の美術家たちとも協力して、新たな空間を提示していきます。
デザインされた年代にもちろんよりますが、浮遊感や透明という色、自在なフォルムを追求し、美学と感性を注いだ珠玉の作品を発表し続け、デザインという行為をアートの領域まで高めた方です。
倉俣史朗のデザインは、欧米の模倣に陥ることなく、また日本的な形態に頼ることもなく、日本固有の文化や美意識を感じさせる独自のものでした。
そのあまりの独創性ゆえ、「クラマタ・ショック」という言葉まで生まれたほどでした。
倉俣デザインの代表作「ハウハイザムーン」
展示場所での撮影できる箇所が限られていましたが、いくつか撮影いたしましたのでご紹介したいと思います。
展示室につながる階段を上がると、倉俣デザインの代表作の一つであるハウハイザムーンが展示されていました。
ハウハイザムーンの素材は、建設現場などで用いられることの多いエキスパンド・メタル。
それまで家具に使われることのなかった素材で、倉俣らしい「軽やかさ」や「儚さ」が表現されています。金属の先端と先端を溶接で繋いで、伝統的なアームチェアの形に仕上げるには職人の高い技術が必要です。この椅子は、実際に展示品に座ることもでき、世界観を体験できるものでした。
現在も復刻されており、受注生産となっておりますが、およそ200万ほどの高額な価格で販売はされいるようです。1986年のデザインです。
倉俣史朗の貴重な代表作の数々
展示空間内は、倉俣史朗さんの貴重な代表作が数多く展示されておりました。家具やガラスの一番美しい時はいつか?の考えから生まれたクラックガラスの家具など見応え満載の内容でした。
また、メディアなどではなかなか見ることもできない図面やアイデアスケッチも展示されていました。最後のエピローグのエリアでは、代表作である硝子の椅子とミスブランチが展示されていました。
硝子の椅子は、透明で強力なフォトボンドの登場により実現しました。背もたれや座面の構成により、強度と美しさを見事に両立した椅子です。
最高傑作の一つと評されるミスブランチ
そして最後は、最高傑作の一つと評されるミスブランチです。
映画のヒロインの名を引用して名付けられたこの椅子は、透明のアクリルの中に薔薇の造花が封じ込まれています。
透明な空気の中に漂うかのように薔薇が散らばり、椅子であるということを忘れ、その美しさに引き込まれる大きな感動が生まれます。
オーダーメイドで56脚が制作され、後に18脚が作られた「ミス・ブランチ」。もちろん一つ一つ手作りとのことです。
京都の気になるお店「NODERIUM京都」
倉俣史朗回顧録と合わせて、店舗デザインの観点から、京都の気になるお店にも訪れてきました。
まずは、NODERIUM京都です。
こちらは、インテリアショップのACTUSが2020年から手がけてきた植物ブランド、ノードリウムの初のアンテナショップとなります。
建築家の隈研吾さんによってリノベーションされた木の温もりと開放感が共存する空間に展開しています。販売されている植物や、鉢、観葉植物に関連する様々な商品も豊富です。
また、同じ建物内にインテリアショップのACTUSも店舗を構えているため、グリーンと合わせて、インテリアもコーディネートしやすい場所となっています。
NODERIUM京都
京都府京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620 COCON烏丸 2F
https://www.actus-interior.com/noderium/
京都の気になるお店「新風館」
続いては、2020年にオープンした新風館にも立ち寄りました。
こちらも隈研吾建築都市設計事務所のデザインによるもので、旧京都中央電話局を保存しながら、一部改修、増築の建物となっています。アジア初上陸となるエースホテル京都をはじめとした商業ゾーンで構成されています。
植物好き、カフェ好きにはたまらない自然の恵みと人の手が生み出す形と食を提供するショップ、THIS IS SHIZENやフランス発祥で現在も各方面から高い支持を集めているメゾンキツネが展開するカフェ「カフェキツネ」など、話題性の高いお店がたくさんあり、歩くだけでも十分に楽しめる商業施設となっています。
新風館
京都府京都市中京区烏丸通姉小路下ル場之町586−2
https://shinpuhkan.jp/
最後に
いかがでしたでしょうか。
今回は倉俣史朗 倉俣史朗 ー記憶の中の小宇宙展の様子と京都の店舗デザインが秀逸なお店、施設をご紹介いたしました。
この動画をきっかけに少しでもデザインの魅力や面白さが伝われば幸いです。
これらを通して、改めてインテリアデザインや空間デザインにコンセプトが重要であることを再認識するきっかけになりました。
私たちサイファーは飲食店などの商空間のデザインや住居のデザイン設計、施工を手掛けています。これからお店を開業される方や店舗デザインでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
それでは、ありがとうございました。