訪日外国人が喜ぶ店舗デザインのポイントとは?和を感じるデザインとグローバルなお店つくりが求められます
2022年10月に新型コロナウイルスについての水際対策が大幅に緩和されたことで、大幅に減少していた訪日外国人旅行客の数が徐々に回復してきています。
それに加え、中国からの団体旅行が解禁されたことや、円安が継続していることもあり、今後訪日外国人旅行者の数はさらに増加することが見込まれます。
そこで、今回は訪日外国人旅行客を取り込むための店舗デザインについて紹介していきます。
日本らしさを表現した店舗デザイン
日本風のデザイン
外国人旅行客が日本に旅行に来る目的として、日本の文化や和食など日本らしいものに触れたいというものがあります。
外国人旅行客は、「藍色や若草色、墨色など日本の伝統色が使われているもの」や「京都や奈良などを思わせる和風建築が取り入れられている空間」に対して日本らしさを感じる傾向にあります。
加えて、日本庭園などに代表されるわび・さびの感性を取り入れることも効果的です。日本人がタイルやレンガを使用した西洋風な空間をおしゃれな空間として認識し、非日常感を楽しむように、外国人旅行客が日本の伝統的な文化である畳や和室などに非日常感を感じ楽しむことができるように店舗デザインを考える必要があります。
ここで気を付けたいのが、日本人にも来店してもらえる店舗デザインも意識することです。メインターゲットは外国人観光客かもしれませんが、実際には日本人が利用する機会のほうが多いことがほとんどですので、店舗を長く運営していくためにも、日本人にも外国人旅行客にも受け入れられるデザインを考えることが重要です。
空間に合わせたおもてなし
店舗を日本風なデザインにするのであれば、その空間にふさわしいおもてなしを実施することも必要です。
具体例でいうと、和風なデザインの店内であれば、作務衣や浴衣など着物風なデザインのユニフォームを採用して、来店されるお客様をおもてなしすること、お客様が来店された際には、きちんとお辞儀をしてお出迎えをすることなどがあります。
また、店舗で提供するものにも工夫があるといいでしょう。和風な店舗デザインになじむような食器やインテリア、料理など全体的に統一感のある造りにするほうが一体感が生まれ違和感なく過ごすことができるでしょう。
海外の常識を取り入れる
店舗のデザインやおもてなしの心は日本特有のものを全面に押し出して行ったとしても、外国人旅行客の集客を目指すのであれば、海外で常識となっているサービスを取り入れる必要があります。
例えば、海外ではクレジットカードでの支払いが一般的であることや、旅行時に大金を持ち歩くことに抵抗がある人も多くいます。外国人旅行客を取り込むためには、最低限クレジットカードでの支払いを受け入れるようにしましょう。
また、海外のレストランでは、ファストフード店のように入店時にカウンターで支払いを済ませるか、テーブル会計が主流です。日本で多い退店時に伝票をもってレジに行くという流れがわからない人も多くいますので、メニューや席に説明を記載するか、入店時に説明するようにするのがいいでしょう。
外国人観光客を考えた店舗デザイン
体格差・身長差を考慮したデザイン
日本人と外国人、とりわけ欧米圏から来日した旅行客の違いとして、体格・身長の差が挙げられます。街中で欧米圏の人を見かけるとき、身長の高い、がっちり体系の人を見かけることが多いと思います。
事実、欧米圏から来日した外国人旅行客は日本人よりも身長が高く、体格のいい人が多い印象を持っている人も多いでしょう。彼らが快適に過ごすことができる空間を考える場合、日本人基準で考えてしまうと少し窮屈な思いをするかもしれません。
天井は通常よりも少し高くしたり、座席間の幅を少し広げたり、どんな人が来店しても快適に過ごすことができるデザインを考えることが必要です。
旅行客特有の問題を考えたデザイン
街中で大きなスーツケースやバックパックを持った訪日旅行客を目にすることも多くあるかと思います。東京や大阪の主要駅には、コインロッカーが多数設定されていますが、週末などになると多くの人が利用するため、すべて埋まっており利用できないこともしばしばあります。
また、荷物が多すぎて収納できない、持っているスーツケースが大きすぎて預けることができないといった場合も考えられます。そうなった場合、荷物は持って移動せざるを得ません。
そこで、大きな荷物を持った旅行客でも入りやすい店としては、荷物を置くスペースが別途用意されていたり、席にゆとりがあり、多少荷物が多くても快適に過ごすことができたりする場所が好まれます。
視覚的にわかりやすいデザイン
海外に旅行に行ったときに、店名や看板だけではなんの店か判断できず、店を探すだけでも一苦労といった経験をしたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、外国人旅行客にとっても同じことがあります。
店舗の看板や外装を見ただけではなんの店か判断することが容易ではありませんので、何を扱っている店か一目でわかるよう視覚的にわかりやすいデザインを考える必要があります。
例えば、店の看板や外装、窓などにハンバーガーの写真や絵が書いてあれば、ハンバーガーを食べることができる店だとわかりますし、コーヒーカップのマークがあれば、コーヒーブレイクができる店だと視覚的にわかります。
また、飲食店などの場合、店内で提供するメニューについて、英語で記載するだけでなく、写真やイラストを添えることで、どのようなメニューなのかを即座に判断できます。
おわりに
今回は、外国人旅行客の集客を目指す場合の店舗デザインについて紹介しました。日本人にとっては使いやすくても、外国人旅行客からするとそうではないこともありますので、違いをしっかりと理解したうえで、誰もが使いやすいデザインを考えみましょう。
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実際にお客様に提案しているマインドマップや図表、イメージパースを元に、考え方の整理方法からコンセプトを具現化するまでを解説していますので、ぜひこちらもご参照ください。