石膏ボードとプラスターボードとは?特徴とメリット・デメリットを解説します
店舗建築では、石膏ボードとプラスターボードを欠かすことができません。実際に、内装を中心にあらゆる場所で建築素材として使われています。
とはいえ、石膏ボードとプラスターボードについて、実はよく知らなかったり詳しく説明するのは難しかったりする方も多いと思います。
今回は、石膏ボードとプラスターボードの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。店舗設計にも大変役立つので、よく読んで参考にしてください。
石膏ボードとプラスターボードとは?
石膏ボードとプラスターボードは、石膏を主な材料とする板状の建築素材で、一般的には、9.5mm・12.5mm・15mmの3種類の厚さがよく使われています。実は、石膏ボードとプラスターボードは同じものであり、呼び方が異なるだけです。
石膏ボード(プラスターボード)は、主に以下のような目的で使われています。
- 壁や天井の下地材・内装材
- 断熱材
- 防音材
このように、石膏ボード(プラスチックボード)は、店舗設計に欠かすことができない建築部材といえます。特徴やメリット・デメリットをよく理解し、適切に使用することがおすすめです。
石膏ボード(プラスターボード)のメリット・デメリット
ここでは、石膏ボード(プラスターボード)のメリット・デメリットを詳しくご紹介します。
石膏ボード(ブラスターボード)のメリット
石膏ボード(プラスターボード)には、以下のようなメリットがあります。
価格が安価
石膏ボード(ブラスターボード)は、価格が安価なことが大きなメリットです。その分、浮いた予算を水回りの設備などにかけることができ、トータルで満足度の高い仕上がりを手に入れることができます。内装用の素材に特にこだわりがなく、コスパのよ差を重視するのなら、持ってこいといえるのです。
たとえば、賃貸物件で内装費用を安く抑えたい場合などにもよく採用されます。たとえ入居者による汚損や破損があっても安価に交換可能なことも、オーナーにとってうれしいポイントです。
施工が簡単
施工が簡単なことも、メリットの一つです。カッターなどでも簡単にカットでき、特別な専用工具を必要としません。職人の技術力に大きく左右されず、誰でも一定の仕上がり品質をクリアしやすいといえます。
施工が簡単なことは、工期の短縮にもつながります。店舗の内装リニューアルをできるだけ早く完了させたい場合にも、大きなメリットです。
耐火性や防火性に優れている
石膏ボード(プラスターボード)は、耐火性や防火性に優れているのもメリットです。まず、石膏には燃えにくい性質を持っています。
また、石膏ボード(プラスターボード)には結晶水が含まれており、火災時に徐々に水蒸気になって放出されるため、延焼しづらい点も見逃せません。火災リスクを低下させるためにも、積極的に採用したい建築部材といえます。
遮音性に優れている
遮音性に優れていることも、メリットの一つです。内装する段階で、内側に空洞を作ると、音が伝わりにくくなります。
こうしたメリットを活かし、プライバシーを確保したい寝室や病室、ホテルの客室などに使用するケースもあります。完全に聞こえなくすることはできませんが、気軽に遮音性を高めることが可能です。
石膏ボード(プラスターボード)のデメリット
石膏ボード(プラスターボード)のデメリットについては、以下をご覧ください。
一か所に衝撃が加わると破損しやすい
主なデメリットとして、一般的な塗り壁や木材を使用した壁より強度が低いため、一か所に衝撃が加わると簡単に破損しやすい点が挙げられます。
たとえば、強めにパンチするだけでも、場合によっては大きく破損したり穴が開いたりしてしまいます。そのほか、子どもがふざけてボールを投げて当ててしまった、体が当たって家電や家具が倒れてしまったなどの理由で破損するのも、よくあるパターンです。
そのままではネジやクギを固定しにくい
石膏ボード(プラスターボード)は、そのままではネジやクギを固定しにくい点もデメリットです。たとえば、クギを打って棚を固定したい場合などは、そのままでは棚の重量に負けて落下しやすいので注意しましょう。 加えて、ネジやクギを打った部分に大きな穴が開いてしまうこともあります。
この点は、専用のアンカーを使用することで、簡単に解決できます。ただし、専用のアンカーを使用しても、重量のあるものを固定するには耐荷重が不十分なことがあるため、気を付けてください。
水分や湿気に弱い
水分や湿気に弱いのもデメリットといえます。梅雨などの雨天が続く時期や、加湿器の使用で多湿に傾いた室内では、しばしばカビが発生しやすいので注意が必要です。
キッチン・トイレ・脱衣場など、湿気が多い場所に石膏ボード(プラスターボード)を使いたい場合は、使う場所を厳選するか、防水加工を施すことがおすすめです。
内装に石膏ボード(プラスターボード)の使用がおすすめのケース
以下のようなケースでは、内装に石膏ボード(プラスターボード)の使用を検討してみるとよいでしょう。
店舗の内装を安価にリニューアルしたい
店舗の内装を安価にリニューアルしたい場合は、石膏ボード(プラスターボード)の使用がおすすめです。価格が安価なので、木材や石材などを使用するより、はるかに安い予算でリニューアルできます。
流行のスイーツをメインコンセプトにした飲食店など、一定の期間ごとに内装をリニューアルする必要がある場合にも、向くでしょう。なお、築年数が古い物件でも簡単に内装をリニューアルでき、入居希望者が集まりやすい状態にすることも可能です。
飲食店の内装耐火性・防炎性を高めたい
飲食店の内装で、特に耐火性・防炎性を高めたい場合も、石膏ボード(プラスターボード)の使用を検討してみる価値があります。耐火性・防炎性の高い建築部材なので、特に、客前で火を使う飲食店には、ぴったりです。
たとえば、顧客の目前で鉄板を使用する、客席で顧客が直接火を扱うといった場合は、厨房だけで調理する一般的な飲食店よりも、火災リスクが高まります。特に、焼き肉店・お好み焼きなどの鉄板料理店などでは、防火性・防炎性の高い内装材として、重宝するはずです。
賃貸物件の内装を原状回復しやすくしたい
賃貸物件のオーナーで、内装を原状回復しやすくしたい場合も、石膏ボード(プラスターボード)の使用を検討してみましょう。安価な建築部材なので、入居者が破損・汚損しても原状回復費用を抑えることができます。
また、簡単な方法で原状回復できることから、入居者にとっても退去時の負担が少なく済むのもメリットです。入居者の入れ替わりが激しい店舗向け物件や単身者向けのアパートなどに、特におすすめします。また、子どもやペットによる汚損や破損が懸念されるファミリー向け物件でも、大きなメリットを実感できるでしょう。
まとめ
石膏ボードとプラスターボードは、呼び方が異なるだけで同じものであり、一般的に広く使われる建築素材です。両方とも主に内装素材として使われることが多く、店舗建築にも多数採用されています。
この記事を参考にして、石膏ボード(プラスターボード)の主な特徴やメリット・デメリットを理解し、店舗建築に活用することを検討してみてください。
なお、私どもサイファーデザインでも、石膏ボード(プラスターボード)を使用した店舗設計を数多く手がけた実績がございます。理想の店舗作りに全力でお力添えいたしますので、まずは、お気軽にお問い合わせください。