【5分でわかる】飲食店開業時の保健所の検査基準|基準を守るためのポイントとは?

飲食店開業時の保健所の検査基準

飲食店を開業するときには様々な手続きや検査が必要になりますが、特に保健所検査は、公衆衛生や安全性を確保するために非常に重要となります。今回は保健所検査の基準と、一般的に気を付けるべきポイントを紹介していきます。

今回紹介するものは一般的なものですので、各自治体によってルールが異なることがありますので、詳細は各自治体の保健所のガイドラインを確認するようにしてください。

店舗の開業に関するトピックは以下の記事カテゴリーでまとめています。開業するときにどんな手続きが必要なのか?開業資金はどれくらい必要か?など、をわかりやすくまとめていますので、ぜひこちらも合わせてご確認ください。

店舗開業のポイント

保健所検査とは

飲食店を開業するためには、「飲食店営業許可」が必要になります。この許可を受けるためには、必要な申請書をそろえ、申請したうえで保健所による施設検査を受け、クリアしなければなりません。今回はこの保健所による検査について紹介していきます。

保健所検査に必要な申請

保健所検査を受けるためには、「飲食店営業許可」の申請を行い、日程調整をして保健所検査を受ける必要があります。「飲食店営業許可」の申請には、以下のような書類と申請料(15,000〜20,000円ほど)が必要です。

営業許可申請書

店舗の代表者の名前や住所、店の営業時間や食品衛生責任者の名前などを記入します。フォーマットは保健所などで指定のものがあります。

営業施設の大要・配置図

お店の設備や面積、客席数や従業員数などを記入します。

食品衛生責任者設置届

食品衛生責任者手帳の写しなどを添えて提出する必要があります。食品衛生責任者の資格を得るには、高校卒業相当以上であること、食品衛生管理者を配置している施設での衛生管理業務従事経験が3年以上あること、そして、各都道府県知事の登録を受けて開催される食品衛生管理者登録講習会を受講することが求められます。

登記事項証明書

法人が開業しようとする場合に必要になります。

水質検査成績書

貯水槽、井戸水を利用する場合にのみ提出が必要です。

また、保健所検査とは直接関係があるわけではありませんが、接客を伴ったり0時を超えて営業する飲食店の場合には別途「風俗店営業許可」の申請や「深夜酒類提供飲食店提供届」が必要になりますので、注意が必要です。

保健所検査の基準とポイント

それぞれの検査基準で確認されるポイントを紹介していきます。

食品の保管と衛生管理

食品の保管と衛生管理

・食品の保管場所が清潔で、適切な温度で保管されているか

・交差汚染を防ぐために異なる食材の保管場所を分離しているなど適切な衛生管理が行われているか

・賞味期限切れや消費期限切れの食品がないか

・食材のラベリングが適切に行われているか

厨房の衛生状態

厨房の衛生状態

・厨房が清潔に保たれ、定期的な清掃が行われているか

・調理器具やカウンターなどの作業スペースが適切な衛生管理がされている

・廃棄物やゴミの処理が適切に行われ、衛生的な状態に保たれているか

従業員の衛生管理

 

・従業員が手を適切に洗っているか、手指消毒を行っているか

・飲食物の調理や接客に従事する従業員が、咳やくしゃみをする場合にはマスクを着用しているか

・従業員が病気や感染症の症状を示す場合には、飲食業務から離れるよう指導されているか

衛生教育と訓練

・従業員が食品衛生に関する基本的な知識を持っているか

・飲食店が従業員に対して定期的な衛生教育や訓練を実施しているか

食品の調理と加熱

・食材の調理が適切に行われ、食中毒を引き起こす可能性のある菌が除去されるよう食品が適切な温度で加熱されているか

飲食物の衛生管理

・サニタイズされた飲料水が提供されているか

・食品の包装や取り扱いが衛生的に行われているか

客席とトイレの衛生状態

・店内の客席やテーブルが清潔に保たれているか

・トイレが清潔に保たれ、手洗い設備やトイレットペーパーなどの必要なアイテムが充足されているか

安全対策と衛生管理の文書化

・飲食店が安全対策や衛生管理に関する適切な文書や記録を保持しているか

保存しておくべき情報としては、食材の仕入れ元の情報、衛生教育や訓練の実施記録、定期的な清掃のスケジュールなどがあります。

必要な厨房機器

必要な厨房機器

保健所検査では、上記で説明してきた項目以外にも厨房機器がそろっているか、適切な場所に配置されているかも確認されます。以下に確認ポイントを紹介します。

・営業時間内で使用する冷蔵庫、冷凍庫を厨房の区画内に設置しているか(厨房区画と客席、倉庫区画が明確に区切られているという前提条件をクリアしている必要があります。)

※ただし、食材を保管して仕込みの段階でしか使用しない場合や、蓋付きのドリンク保管のみである場合には、厨房区画外に設置していても問題ありません。

・冷蔵庫、冷凍庫に温度計が設置されているか(冷えているかを常に確認できる状態にしているか)

・厨房に1槽あたり幅45cm以上、深さ18cm以上、奥行36cm以上のシンクが、食材を洗う用と食器や調理道具を洗う用の最低でも2槽あるか(食器洗浄機を設置している場合は、それで1槽分とみなされます。)

・消毒や洗浄のために温水を使うことができるか

・厨房に幅36cm、奥行28cm以上の消毒設備付きの従業員の手洗い用シンクがあるか(蛇口式ではなく、自動センサー式か肘で操作可能なレバーハンドル式)

・食器を保管する棚には、扉が設置されているか

・ねずみや虫が入ってこないよう、窓や換気扇などは防虫設備があるか

おわりに

保健所の検査

一般的な基準として考えることができるポイントであり、保健所の検査ではこのほかにもさまざまな要素が評価されることになりますので、詳しくは各保健所のガイドラインを確認してください。

今回は、飲食店を開業する前に行われる保健所検査について紹介してきました。保健所検査では、かなり多くの項目を細かくみられると思った方もいらっしゃるかもしれませんが、食中毒などを防ぐために必要な対策ですので、しっかり確認して合格できるようにしましょう。

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