【5分でわかる】商標と商号について|それぞれの言葉の意味と関係をわかりやすく解説します

商標と商号について

「商標」と「商号」というワードはよく耳にするけど、違いがわからないというお悩みはありませんか?この2つは、名称が似ているものの意味が異なるワードです。

会社名を決める際や、オリジナルの商品を発売する際などに重要な役割があるため、開業を考えている方や企業のオーナーはしっかりと意味を理解しておきましょう。

この記事では、商標と商号の違いについて意味と関係をわかりやすく解説します。

商標と商号の違いとは

商標や商号は、会社名関連のワードとしてよく耳にするのではないでしょうか?これらのワードは、よく似ていますが意味が異なるため、分かりやすく解説します。

商標とは

商標と商号の違い

商標とは、提供している商品やサービスを識別するための標識のことです。この商標は、文字や図形、記号などが用いられます。

特許庁へ申請することで、商標登録ができ、権利者以外は類似品も含めて使用できなくなります。

すでに登録されている商標や類似した商標は申請が通らず、無断で使用した場合は、権利侵害となり、罰則を受けたり裁判になったりするため注意が必要です。

商標に登録できるもの 文字、図形、記号、立体的形状、動き商標、ホログラム商標、色彩

商号とは

商号とは

商号とは、会社を識別するための名称、つまり会社名のことをいいます。会社法や商法において商号が規定されており、決まりにのっとった会社名であれば法務局にて商号の登録が可能です。

商号は、すでに登録されている名称でも登録が可能といった特徴がありますが、登録ができない場合もあります。それは、商号と住所がすでに登録されているものと同じ場合です。

つまり、商号には独占権が存在しないため、名称が同一で合っても住所が違えば登録ができるということになります。

商号は商標登録したほうがいい?

「商号を登録しておけば、商標まで登録しなくてもいいだろう」と思っている方は少なくありません。しかし、何かしらの都合がない限り商標登録はしておくのがおすすめです。

商号には独占権が存在しないため、他社に商標登録されてしまうと名称変更せざるを得なくなります。

名称の使用ができる 名称の使用ができない
名称 株式会社 山田 株式会社山田
住所 愛知県西阿和町岳仙6-4-34 愛知県西阿和町岳仙6-4-40
商号 登録済み 登録済み
商標 登録済み 未登録
独占権 あり なし

商号に関するルール

商号に関するルール

商号は、会社法と商法の規定にのっとって決める必要があります。ここでは、商号をつける際の基本的なルールについて解説します。

会社の種類をつける

商号には、必ず会社の種類をつけなければなりません。種類は主に以下の4つ。

・株式会社

・合名会社

・合資会社

・合同会社

種類を入れる場所は自由なので、名称のどこかに入れましょう。

株式会社 山田 / 山田 株式会社 / 山田 株式会社 太郎 など

住所と商号が同一ではない

名称と住所が同一の商号は、登録ができません。同一の名称で登録がある場合は、必ず違う住所で申請をしましょう。

また、商号の読み方が異なる場合でも、同一の文字列は登録できないため注意が必要です。

OK ・商号と住所が一緒だが、建物の部屋番号が違う

・前株と後株が違う

NG ・株式会社 山田(やまだ)と、株式会社 山田(さんた)

公序良俗に反しない

申請された商号が公序良俗に反していないかは、民法90条にのっとり法務局・地方法務局が判断をしています。

道徳に反する言葉や卑猥な言葉を含んだ名称は、登録ができないため注意が必要です。登録できない名称の例として以下のようなものがあります。

・多くの人に不快感を与えるワードが含まれている

・差別的なワードが含まれている

・誤認されるおそれがある など

使用文字の制限

商号を登録する場合、法務大臣が告示している商業登記規則50条によって使用できる符号が制限されています。

また、使用できる場所も制限されているため、名称に符号を使用する場合は注意が必要です。

使用できる符号
ローマ字(大文字・小文字)
アラビヤ数字
符号(& / ’ / ‐ / . / ・)

商号を決める際のポイント

商号を決める際のポイント

商号が顧客や取引先へ与える印象は非常に大きいため、慎重に考えなければなりません。ご紹介するポイントをおさえて、どのような会社にしたいのかを検討した上で商号を決定しましょう。

事業主の名前を利用する

1つ目のポイントは、事業主の名前を商号にする方法です。名前が知られている事業主であれば、知名度を活かした集客ができるようになります。

また、名前をしってもらうきっかけにもなるため、事業主の名前を全面に出して仕事をする場合におすすめです。

ただし、この方法は個人事業主の時から知名度がある人に限られます。

株式会社 山田工業 /  株式会社 松本太郎デザイン事務所 など

地域の名称を利用する

2つ目のポイントは、名称に地域の名称を入れる方法です。商号に地名をいれることで、地域密着型のサービスであることをアピールできます。

その結果、地元顧客を獲得したり、地元のイベントに呼ばれたりする可能性が出てくるでしょう。地域の特徴を取り入れた事業をする場合におすすめです。

みよし 株式会社 / 株式会社 NAGOYAトラベル など

事業内容を入れる

・どんな会社かどんなサービスを提供しているのか一目でわかる

・商品やサービスを探す潜在顧客を獲得するきっかけになる

3つ目のポイントは、事業内容を名称に入れる方法です。

名称内に事業内容があると、どのようなサービスを提供しているのかが分かりやすいため、決まった商品やサービスを探す顧客を獲得しやすくなります。

また、どのような事業を専門としているか分かりやすくなります。

英会話教室 Nagoya 株式会社 / 株式会社 名古屋ガラス工房 など

会社のテーマをいれる

・会社が目標としていることや理念

・顧客へメッセージを伝えられる

・モチベアップ

4つ目は、会社のテーマを商号へ入れる方法です。

会社が目標としていることや理念を名称へ入れることで、顧客や取引先へどのような企業なのか、何を大切にしているのかなどのメッセージが伝えられます。

また、目標を掲げた名称であればモチベーションアップにも繋がるでしょう。

株式会社 結 / confort 株式会社 など

まとめ

商号のルールや決める際のポイント

この記事では、商標と商号の違いと商号のルールや決める際のポイントについて、わかりやすく解説しました。

商標は、会社名やサービスの権利を守るためのものであり、商号は会社を識別するためのものです。

それぞれ役割は異なりますが、事業をしていくうえで重要なものになるため、開業を検討している方は、それぞれの意味についてしっかりと理解をしておきましょう。

また、商号にはルールもあるため、違反にならないよう注意が必要です。CYPHERでは、店舗デザインや施工業務だけでなく開業に関するサポートも行っています。

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