【5分でわかる】造作譲渡とは?居抜きテナントを契約する際にチェックしておきたいポイント・注意点をわかりやすく解説します

造作譲渡とは

飲食店開業のための契約形態のひとつに「造作譲渡」というものがあります。コスト面などでメリットの多い契約形態でありますが、実際に「造作譲渡」とはどのようなものかわからない方が多いのではないでしょうか。

「造作譲渡」の詳細を正しく理解して、契約を行わなければ、思わぬコストがかかったりデメリットの方が多くなる場合もあります。そこで今回の記事では、「造作譲渡」の詳しい内容やメリット、デメリットなどについて解説していきます。

店舗の開業に関するトピックは以下の記事カテゴリーでまとめています。開業するときにどんな手続きが必要なのか?開業資金はどれくらい必要か?など、をわかりやすくまとめていますので、ぜひこちらも合わせてご確認ください。

店舗開業のポイント

造作譲渡とは?

飲食店の賃貸物件

まず飲食店の賃貸物件には2つのパターンがあります。前の店舗の設備や家具、内装が一部残っている賃貸物件の「居抜き物件」と設備や内装がなく空間のみとなっている物件の「スケルトン物件」があります。

造作譲渡は「居抜き物件」の賃貸借契約に含まれない造作部分(設備や内装)を譲渡したり譲渡する契約をすることをいいます。借主、貸主の双方の合意の元に行う契約であるため、コスト面などについてメリットの多い契約のパターンです。

造作譲渡に該当するものとしないもの

造作譲渡は、借主、貸主の双方の合意の元に行われる契約であるため、造作譲渡に該当するもの、しないものの分類は、決まりがあるわけでないので、しっかり確認を行うことが必要です。

譲渡と思っていたが、譲渡に含まれていなかったため、別途購入費用が発生したりとトラブルの原因になります。

基本的には、動かせるような調理器具や食器は譲渡に該当しない場合が多く、造作物として内装や、各種設備機器、看板、音響機器、トイレなどは譲渡に該当する場合が多いです。

造作譲渡のメリットとデメリット

造作譲渡のメリットとデメリット

造作譲渡は、居抜き物件契約の際のひとつのパターンであり、飲食店開業に向けてコストを抑えたりと、メリットが多いですが、デメリットとなる部分もあります。

ここからは、そんな造作譲渡のメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。

造作譲渡のメリット

造作譲渡には主に3つのメリットがあります。

・店舗開業のコストを抑えることができる

・店舗開業までの準備期間を短縮できる

・店舗閉店時の時間とコストを抑えることができる

造作譲渡を行うことで、店舗開業に必要なさまざまな設備や造作を譲り受けることができるため、店舗開業の初期費用を抑えることが可能です。

店舗運営に必要な設備や内装の工事は非常に高額であるため、新品にこだわりのない方に大きなメリットです。

さらに内装の工事や設備機器の準備には手間や労力がかかり、開業までに時間がかかりますが、造作譲渡によってその準備期間が短縮され、早期に店舗開業が行えます。

貸主や前店舗側のメリットもあり、造作譲渡によって原状回復の費用や時間を抑えることができます。

造作譲渡のデメリット

造作譲渡のデメリットについては2つのポイントについて紹介します。

・譲渡品は中古品であるため、保証やいつまで使用できるか不明

・閉店時に次のテナント契約に時間がかかる場合がある

造作譲渡によって、譲り受けた設備機器などは中古品です。新品にはついている保証なども切れている場合も多く、劣化具合が不明なためいつまで使用できるのかわかりません。

故障などが頻繁に起きるようであれば、修理費用がかかり新品を購入した方がよかった、という場合も出てきます。

貸主側のデメリットとしては、次のテナントが見つかりにくい場合がある点です。

内装や設備を譲渡するということで、譲渡する内装、設備に合う店舗でなければ、契約につながりにくいです。

次の契約までの期間が空くと家賃収入などが入らないといった、貸主にはデメリットになってしまいます。

居抜き契約について

居抜き契約について

前の店舗の設備や家具、内装が一部残っている賃貸物件の居抜き物件には、「賃貸借契約」よ「造作譲渡契約」の2つが必要です。

「賃貸借契約」は賃貸物件のオーナーと物件を借りるテナントとの間で行う契約です。店舗だけでなく、一般のアパートなどの住宅の契約においても行われているものです。

「造作譲渡契約」は居抜き物件の譲渡される内装や設備機器などの詳細を明記して、賃貸物件のオーナーではなく、前のテナントと物件を借りるテナントとの間で行う契約です。

この2つの契約を行うことで、居抜き物件の契約を行うことができます。

居抜き契約の注意点について

居抜き契約の注意点について

居抜き契約を行う場合には、トラブルの原因となるチェックしておくべきポイントがあります。

・譲渡品が使用できない

・リース品の状況確認

・譲渡品の数や価格の確認

居抜き物件の契約では、思わぬトラブルが発生する可能性があるため、事前にしっかりチェックを行いましょう。

譲渡品が使用できない

譲渡品が使用できなかったり、すでに破損しているなどといった問題が発生する場合があります。

契約前に気づくことができればいいのですが、契約後に発覚した場合は対応してもらえる可能性が低くなります。

使用できる状態であっても耐用年数や使用期間を大幅に越えている機器については、すぐに故障し処分費用が高くかかったりする場合もあるため、事前の使用確認は必ず行いましょう。

リース品の状況確認

店舗で使用する設備機器や家具などの什器はリース契約のものも多いです。

そのため、譲渡品の中にリース品があるかどうかの確認と、リース品がある場合のリース契約の内容をしっかりと確認しましょう。

リース品と知らずに処分してしまって、製品代や料金の支払いが残ってしまったり、無駄な費用となってしまうため、契約前に注意して確認しましょう。

譲渡品の数や価格の確認

譲渡品の数や価格についてしっかり確認しましょう。

口頭で新品同様や問題なく使用できるといった情報を鵜呑みにし、契約を行い実際に実物を見たら、使用感があり劣化が激しいといった問題が起こる可能性があります。

契約は書面でのやり取りで、譲渡品の詳細がわからない場合もあるため、実際の状態と個数や状態に見合った料金設定であるか確認を行いましょう。

まとめ

造作譲渡とはどういったものか

今回の記事では、造作譲渡とはどういったものか詳しく解説していきました。造作譲渡はコストや準備期間の短縮を行いたい店舗開業予定の方におすすめなものです。

メリットに感じる部分が多いですが、デメリットとなる部分も存在しているため、契約前のチェックは入念に行うことが必要です。譲渡品の状態や状況、料金など全体を考慮して、契約を行うことをおすすめします。

居抜き物件、造作譲渡のことでお悩みのことがあれば、私たちサイファーにぜひ一度ご相談ください。

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