フラッシュ材とは?店舗建築で使われる重要な防水部材をわかりやすく解説
しかし、実際にどんな特徴やメリット・デメリットがあるのかと聞かれると、うまく説明できない方もいらっしゃると思います。
今回は、フラッシュ材とはどんなものか、メリット・デメリットを含めて詳しくご紹介しますので、参考にしていただけますと幸いです。
フラッシュ材とはどんなもの?
フラッシュ材とは、主に建築物の防水対策用に使用される素材です。イギリス最大の接着剤・防水部材メーカーのボスティック社が開発し、現在では世界中で使用されています。もはや、フラッシュ材なしでは、店舗建築が成り立たないといわれています。
フラッシュ材は、塗料・シール・シートなど、さまざまなタイプがあり、使用する場所の材質や状態に合わせて選べます。高い防水性能を得るには、メリット・デメリットを正しく理解することが必要です。
フラッシュ材がよく使われる場所は?
店舗建築では、主に水濡れや雨漏り対策に、フラシュ素材が使われます。特に多く使われるのは、以下のような場所です。
- 屋根・屋上
- 外壁
- サッシ周辺
- 雨どい
浅いひび割れなどは、塗装し直さずに、フラッシュ材を貼り付けたり塗布したりして補修することもあります。
フラッシュ材を使用するメリット・デメリット
ここでは、フラッシュ材を使用するメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。
フラッシュ材を使用するメリット
フラッシュ材を使用すると、多くのメリットがあります。
貼るだけで簡単に防水施工が可能
貼るだけで簡単に防水施工が可能なことが、フラッシュ材の最大のメリットです。特別な技術力を必要としないため、何年も修行する必要がありません。初心者でもポイントを押さえて丁寧に施工すれば、問題なく美しく仕上がります。
たとえば、緊急で雨漏り対策が必要な場合に、初心者でも簡単かつすぐに補修できて被害の拡大を防ぐことが可能です。
特別な工具は必要なし
フラッシュ材は、使用する際に特別な工具を必要としません。塗料タイプなら、一般的な塗装に必要な道具で塗布できます。また、シートタイプやテープタイプなら、さらに簡単で、防水したい部分に貼り付けるだけです。
とても単純で分かりやすい手順で、特別な工具が必要ないことで、現場で初めて使用する場合でもスムーズに進みます。
幅広い場所でも対応可能
幅広い場所でも対応可能な点も、フラッシュ材の強みです。フラッシュ材は、テープ・シート・塗料(液体)などさまざまなタイプがあり、施工場所に合わせて選べます。
凹凸や段差がある面や角、コーナー部分なども、適切なタイプのフラッシュ材を使用することで、美しく仕上げることができます。
さまざまな素材に使用できる
フラッシュ材は、以下のようにさまざまな素材に使用できます。施工場所の素材ごとに異なる防水部材を用意せずに済むのは、大きなメリットです。
- 木材
- 石材
- コンクリート
- レンガ
- モルタル
- 砂付きルーフィング
防水部材の種類を減らすことでコストダウンでき、予算をグンと抑えることができます。
耐候性・耐久性が高い
フラッシュ材は、高い耐候性・耐久性を誇ります。適切に使用すれば、施工後すぐに剥がれてしまう、劣化してしまうといったことがありません。
特に、屋外での使用に向いており、屋根・外壁・サッシ周辺・雨どいなど、さまざまな場所に使用可能です。また、耐久性が高く、施工後10~15年度の寿命があるため、メンテナンスの手間が省けます。
乾燥時間が短い
塗料タイプのフラッシュ材は、20分~1時間程度で乾燥します。一般的なシーリング材と比較すると非常に短時間で乾燥するため、工期の短縮が可能です。
なお、施工後に多少の雨が降っても問題ありません。塗布する時点で雨が降っていなければ、多湿な季節でも使用できます。
フラッシュ材を使用するデメリット
万能に見えるフラッシュ材でも、以下のようなデメリットがあります。
施工不良があると水漏れや雨漏りの原因になる
フラッシュ材は、簡単に防水施工ができることがメリットですが、施工不良がゼロになるわけではありません。塗り方や貼り方が悪ければ、すき間から水分が入り込んで、水漏れや雨漏りの原因になります。
簡単に防水施工できる素材だからこそ、丁寧な作業が求められるともいえます。使用する前に必要な下準備をきちんと行うことが、大切です。
使用できない素材がある
フラッシュ材は使えない素材があるので、覚えておく必要があります。たとえば、プラスチックはフラッシュ材を使えません。無理やり使っても、うまく定着せずに施工不良になってしまいます。
また、樹脂加工などの特殊加工を施した場所には使えないことがあります。こちらも、うまく接着しないため、十分な防水性能が期待できません。フラッシュ材を使用するときは、素材との相性を確認してからにしましょう。
色が限られている
フラッシュ材は、現時点で色が限られているため、建物の外観イメージとマッチしないことがあります。最もよく使われるのは、グレー系や黒系の色です。
そのため、白や淡色の素材や塗装部分に使用すると、フラッシュ材の色が目立ってしまいやすく、仕上がりに不満が出ることがあります。フラッシュ材の色が目立つ場合は、周囲の色と同様の色で塗装することを検討してみてください。
フラッシュ材の仕上がりをよくするためのコツ
ここでは、フラッシュ材の仕上がりをよくするためのコツをご紹介します。
施工場所を清掃する
フラッシュ材を使用する前に、施工場所を清掃しておきましょう。汚れやゴミが付着していると、フラッシュ材がよくなじまない原因になります。
特に、油分が残っていると施工不良になりやすいため、きちんと拭き取っておきましょう。なお、施工場所の水分は完全に拭き取らなくても構いませんが、水滴がしたたり落ちる状態はNGなので注意してください。
サビの部分にはプライマーを塗布する
金属面に施工する場合で、サビが発生している場合は、専用のプライマーを塗布しておくことが必要です。何もせずにフラッシュ材を使用すると、サビが広がってしまいます。
サビ対策を適切に行うことは、素材の寿命を延ばす効果もあります。長くよい状態を維持するためにも、丁寧にプライマーを塗布しておきましょう。
凹凸や穴をシーリング材で埋めておく
施工場所に穴が開いている場合は、あらかじめシーリング材で埋めておきましょう。穴が開いたままフラッシュ材を使用すると、成功不良の原因になります。また、穴を埋めることで、美しく仕上がることも大きなメリットです。一手間かけるだけでも仕上がりの満足度が異なります。
施工場所に凹凸がある場合も、専用のプライマーを塗布して表面をなめらかな状態にしておくと、美しく仕上がります。
まとめ
フラッシュ材は、店舗建築に欠かすことができない防水部材です。簡単な方法で防水施工できることが特徴ですが、メリット・デメリットそれぞれをよく理解して使用するようにしましょう。
店舗建築では、防水施工をしっかり行うことで、メンテナンスの手間を省くことが可能です。
私たちサーファーデザインでは、数多くの店舗設計を受けした実績があります。高品質な防水施工をはじめ、店舗デザイン全般についてお力添えできますので、お気軽にご相談ください。