店舗設計図の種類を解説!それぞれの役割を抑えてスムーズに開業を進めましょう
店舗を作り上げるには建物のサイズや間取り、設備の配置、配管・配線など、さまざまな設計を進めることになり、正確かつ的確な店舗設計図が必要不可欠です。
しかし、店舗設計図とは何かと聞かれても、よく分からないこともあると思います。今回は、店舗設計図の種類について主な特徴を併せて詳しく解説します。それぞれよく読んで、理想の店舗づくりの参考にしてみてください。
店舗設計図は主に3種類に分けられる
店舗設計図は、「基本設計図」「実施設計図」「施工図」の3種類に分けられます。ここでは、それぞれの種類の主な特徴を詳しく見ていきましょう。
基本設計図とは?
基本設計図とは、間取り・構造・使用する材料や設備など、建物の基礎的な内容を図面に落とし込んだものです。基本設計図があると、店舗の完成イメージを正確につかみやすくなります。
基本設計図は、依頼主への説明を主な目的として作成されます。店舗設計にかかわる図面は専門的かつ詳細過ぎるため、専門知識を持たない依頼主には簡単に理解しづらいからです。
実施設計図とは?
実施設計図とは、基本設計図をより詳しく記載したものです。実施設計図は、 実施設計図は、「意匠図」「構造図」「設備図」の3種類となり、さらに詳細な図面に分かれます。それぞれ、主な特徴を確認してみてください。
意匠図
意匠図は、建物のの形状や全体構造、空間や間取り、意匠(デザイン)、詳細な仕様といったものを記入する図面です。意匠図は、さらに「平面図」「断面図」「立面図」の3種類に分けられます。
平面図
平面図には、建物の間取り・建具の種類や位置、開口部などの位置や種類といった詳細が真上からの視点で描かれます。2階以上の建物は、フロアごとの作成が必要です。間取り図とも呼ばれ、不動産会社の物件情報などにもよく使われます。
断面図
断面図は建物を垂直に切断し、真横から見た視点で描かれた図面です。断面図を見ると、階高・天井高・地盤面と床高といった建物に関係する数値や垂直方向のつながりがよく分かります。平面図と合わせて見ることで、建物の内観を立体的に把握することが可能です。
立面図
建物の外観デザインを示したものが、設計図です。真正面からの建物を見た視点で作成され、別名で姿図とも呼びます。立面図を見ると、屋根の形・外壁のデザイン・窓やバルコニーなどの位置などを確認することが可能です。
構造図
建物の構造部材を示した図面が、構造図です。構造図は、店舗の安全性に大きく関係するもので、「床梁伏図」と「軸組図」の2種類があります。それぞれの特徴については、以下のとおりです。
床梁伏図(ゆかはりふせず)
床梁伏図には、建築物の構造部分を上から見た状態が示されています。床梁伏図は、梁・柱・基礎の状況が詳細が明確にわかるのが特徴です。店舗の基礎部分を作り上げる際に、大変重要な図面といえます。
軸組図(じくぐみず)
軸組図とは、建物の枠組を示す図面になります。建物を各軸で切断し、横から見た状態で柱・梁・筋交などを壁面ごとに示しており、建物の構造確認や施工の際に必要です。しっかりした構造であることが建物の寿命に大きく影響する意味からも、重要な意味を持つ図面といえます。
設備図
設備図とは、建物に付随するあらゆる設備を示した図面のことです。設備図の主なものに、「電気設備図」「空調換気設備図」「給排水衛生設備図」の3種類があります。それぞれ、どんな特徴があるか具体的に見ていきましょう。
電気設備図
電気設備図では、分電盤から各部屋への配線経路およびコンセントの配置を平面上に落とし込んで示しています。別名で、配線図と呼ばれることもあり、電気設備工事に欠かすことができない図面です。
空調換気設備図
空調換気設備図とは、エアコンや換気扇などの空調設備機器やダクト・配管類の位置や配線、換気能力などを示した図面です。空調設備を施工・確認する際に、とても重要な役割を持っています。
給排水衛生設備図
給排水衛生設備図とは、いわゆる水回りに関する図面で、上水道などの配管経路や材質および蛇口の位置、排水トラップやトイレの位置といったことが分かります。給排水衛生設備図は、水回りの施工・確認に欠かせない図面です。
施工図とは
施工図は、現場の施工を指示するために必要な図面です。施工図の主な種類は、「平面詳細図」「躯体図」「総合図」の3つになります。それぞれの特徴を、詳しく見ていきましょう。
平面詳細図
平面詳細図は、店舗の内装に深くかかわる図面です。一般的には、意匠図の平面図を拡大して作成します。建具の寸法や壁の厚み、フローリングの方向などを、細部にわたって記載しているのが特徴です。
躯体図
躯体図は、柱・梁・天井・屋根・階段などの建物の躯体(骨組み)を記載したものです。また、コンクリートの打設位置や寸法なども示しています。躯体図は、意匠図・構造図・設備図といったさまざまな図面や、仕様書・現場指示書・質疑応答書などを参考にして作成します。
総合図
総合図は、実施設計図うちの設備図と施工図のうちの平面詳細図の2つを参考にして作成されます。総合図は、建物の詳細な情報や、設備・機器等の設置位置および寸法などが分かりやすく、施工時に大変役立つものです。
店舗設計図なしでは理想の店舗を実現できない
店舗設計図には、これまでご紹介したようにさまざまな種類があり、それぞれに重要な役割を持っています。理想の店舗づくりには、どれが欠けても成り立ちませんから、すべてにおいて正確かつ丁寧に作成することが大切です。
店舗設計だけを見ても、膨大な工数と手間がかかっていることがお分かりいただけたはずです。こうした店舗設計図の準備・作成は、ミスを防ぐためにも慎重に行う必要があるため、想像以上に時間がかかるものです。
店舗設計図の作成に余裕を持って取りかかってもらうためにも、店舗の開業を決心したら、なるべくはやめに設計会社へ相談すべきといえます。
信頼できるデザイン設計会社に店舗の設計・施工を依頼すべき理由
店舗の設計および施工は、信頼できる設計会社に依頼しましょう。
信頼できる設計会社には、優れた建築士が在籍しており、依頼内容を的確にくみ取って、店舗設計図に反映させてもらえます。また、丁寧で分かりやすい説明があり、安心してまかせることができるのもメリットです。
店舗の開業に向けてスムーズにスタートを切り、無事に開店日を迎えるためにも、よく相談して進めていくことをおすすめします。
まとめ
店舗設計図は、「基本設計図」「実施設計図」「施工図」の3種類に分けることが可能です。さらに、それぞれに詳細な図面に分けられますが、すべての図面が店舗の設計・施工に重要な意味を持っています。
理想の店舗に仕上げるためにも、今回ご紹介したような店舗設計図の種類や特徴をよく理解しておくことをおすすめします。設計会社との打ち合わせがよりスムーズに進むほか、ちょっとした行き違いや設計ミスの早期発見につながるからです。また、不明な点があった場合にも、的確に質問できます。
なお、私たちサイファーデザインでは、数多くの店舗設計をご依頼いただいた実績がございます。ご要望を細かくお聞きし、理想の店舗づくりを全力でサポートいたしますので、お気軽にお問い合わせください。